第31回東京国際映画祭は、2018年10月25日(木)~11月3日(土・祝)の10日間にわたって、「映画を観る喜びの共有」「映画人たちの交流」「映画の未来の開拓」をビジョンとして掲げ、世界の様々な国や地域から、幅広いテーマやジャンルの映画を紹介し、誰もが参加したくなる様々なイベントを実施する。
今回、109の国と地域から1,829本の応募がある中で、選出された16本を上映するコンペティション部門。日本映画としては阪本順治監督の『半世界』と、今泉力哉監督の『愛がなんだ』が上映される。
2006年の『魂萌え!』以来、12年ぶりのコンペティション選出となった阪本監督だが、今回選出されたことについて「旅が苦手なので、荷造りをしないで済む国際映画祭は大好きです」と笑いを誘いつつ、「何日かで60歳になるのですが、60歳になってコンペに選ばれるのは若い時に全く予想していなかったので、本当に光栄です」と笑顔を見せた。また、「今年で監督30年目なので嬉しいし、作品に関わったみんな喜んでくれているのが一番嬉しいです」と感謝の気持ちを語った。
『半世界』は脚本も阪本監督自身が担当しているオリジナル作品だが、“映画化できなかった企画”の2つのあらすじを1つにまとめ、「プラス稲垣吾郎君が土の匂いのする役をやってみたら面白いんじゃないか」とオファーを出したという。そんな主演の稲垣吾郎のほか、長谷川博己、渋川清彦、池脇千鶴ら豪華キャストが揃う本作だが、「僕からするとみなさん楽器は違うが面白いセッションが出来るんではないかと思いました」とキャスティングについて語る阪本監督。炭焼き職人を演じる稲垣については「普段の彼は非常に素朴さを感じました。淡々と炭を焼く土着な人間が実は似合うのは何となくわかっていました」と自信を見せた。
一方で、昨年は『パンとバスと2度目のハツコイ』が特別招待作品部門に出品され、「『サッドティー』で日本スプラッシュ部門に参加してから5年・6年と、1年に1本作るたびに東京国際映画祭でお披露目できるのが続いていて、日本スプラッシュ部門ですごく成長させてもらったのですが、海外の作品と並んでみていただけるコンペに選出された嬉しさがありました」と語る今泉監督。さらに「切磋琢磨してきた松居大悟監督がコンペに選ばれていたのを見てきたので、『やっとたどり着いたんだな・・・』とじんわりきました。ただゴールではないので、どう観ていただけるか楽しみです」と語った。
その『愛がなんだ』で主演を務める岸井は「今まで3回スプラッシュ部門でレッドカーペットを歩きましたが、コンペというところに行けたというのは、凄く嬉しかったです。世界の方々と一緒に上映される、そしてこの作品は世界共通の普遍的な物語なのでる本当に嬉しいです」と嬉しさを抑えきれないほどの笑顔で語った。MCから“監督はダメ恋愛映画を撮るのが得意”として、「今回も主人公のテルコも本当にダメダメでしたが演じてみていかがでしたか?」と問われると、「演じてる時は全然ダメだと思っていなくて、マモルに向かっていくこの有志を見てくれぐらいの勢いでしたが・・・。最近スクリーンで見たのですが、やっぱりテルコの肩を持っちゃって応援しちゃいたくなる映画でした」と語った。
【取材・写真・文/編集部】
「第31回東京国際映画祭」は2018年10月25日(木)~11月3日(土・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 ステップ広場ほかで開催!