『ハナレイ・ベイ』のプレミア上映会が10月2日(火)に丸の内ピカデリーで行われ、吉田羊、佐野玲於、村上虹郎、佐藤魁、松永大司監督が登壇した。
舞台挨拶の冒頭から「佐野玲於です」と吉田が挨拶し、会場を沸かせるなど仲の良さを感じさせるキャストたちだが、実際の撮影中には「カメラが回っていたいところでは関わらないようにしていた」と明かした吉田。自身の役どころを“閉ざされた役”だと説明し、そのためほとんど関わりがなかったというが、一度だけお昼ご飯をともにしたという佐野は「ケチャップとマスタードを持ってきてくれて、完全に母親だったんです。『あざーっす!』とか言って」と役柄同様、母性を感じさせる場面もあったという。
そんな吉田は、もともと松永監督の作品の世界観が好きだといい、「二つ返事でやらせていただきたいと思った」と明かした。また佐野は自身のコンサートに松永監督が見に来たことがきっかけだと明かし、松永監督は「東京ドームですごく遠くだったんですけど、光ってる人がいた。その日のうちにプロデューサーに連絡して、『お願いしたい』と言ったんですけど一度断られた」と明かすと、佐野は「僕が知らない間に断ってた(笑)」と苦笑。しかし、それでも松永監督は「告白するようなものなので簡単には諦めれない」と二度目のオファーで受けてもらったことを明かした。
また、普段はプロサーファーとして活躍し、「テラスハウス」のハワイ編にも出演した佐藤だが、今回が初めての映画出演ということもあり舞台挨拶中は終始緊張気味。しかし、ハワイでの撮影中は誰よりも目立っていたようで、松永監督も「『佐藤魁君ですよね?』って吉田さんに確認してた」と明かし、会場は藁に包まれた。
さらに役柄に没頭するために、マネージャーを同行せずに一人で来てほしいという監督からのリクエストで、一人でハワイに向かったという吉田は「この作品が終わったら女優を辞めようと思いました。それくらい闘っていました」と明かし、松永監督も「魅力的なキャストとやらせていただいた。自分の全てを出さないといいものにならないと思った」と自身も闘っていたことを明かした。
ここで、本作が「人生で一番大切な人に会いたくなる映画」であることにちなみ「人生で一番大切な写真」が披露された。佐野は本作の撮影時の写真を挙げ、「寝起きです」と眠そうな顔の理由を明かし、現場に向かう途中で見かけた虹を見て「泣きそうなくらい感動した」と説明した。また、吉田は両親の写真を挙げ、「いまだにラブラブ。こんな夫婦になりたいと思わせる写真」と説明した。イベントの最後には、村上が持参したカメラをポケットから取り出し、観客をバックに写真を撮り、会場を盛り上げた。
本作は、ハワイ・カウアイ島の美しき湾、ハナレイ・ベイで紡がれる感動の人間ドラマ。ハナレイ・ベイで一人息子をサーフィン中の事故で亡くした主人公サチを吉田羊が圧巻の存在感で見事に体現。サチの息子・タカシを演じる佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)は、役者として鮮烈な印象を残している。サチがハナレイ・ベイで出会う日本人サーファー・高橋を演じる村上虹郎は、不思議な魅力を漂わせる青年を自然体かつ抜群の感性で表現。監督は日本映画界の新鋭・松永大司。
【取材・写真・文/編集部】
映画『ハナレイ・ベイ』は2018年10月19日(金)より全国で公開!
脚本・監督・編集:松永大司
原作:村上春樹「ハナレイ・ベイ」(新潮文庫刊『東京奇譚集』)
出演:吉田羊、佐野玲於、村上虹郎、佐藤魁、栗原類
配給:HIGH BROW CINEMA
©2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会