宅間孝行監督、倉科カナ、立川談春

『あいあい傘』の舞台挨拶が10月15日(月)に都内で行われ、倉科カナ、立川談春、宅間孝行監督が登壇した。

今回行われた舞台挨拶では、劇中で親子役を演じた倉科カナと立川談春が揃って初のイベントへの登壇となった。さらに原作となった舞台を手掛け、本作では監督・脚本を務める宅間孝行監督も登壇し、撮影時のエピソードや作品に込めた思いなどが語られた。

落語家である傍ら俳優としても活躍する立川談春は、14日より放送が開始されたドラマ「下町ロケット」に出演していることもあり、「久しぶりに着物を着た」と冒頭から笑わせるなど、和気あいあいとした雰囲気の中、舞台挨拶が始まった。

今回、5年ぶりの主演映画となる倉科カナは、「(自身が演じる)さつきと近い境遇で、痛みを力に変えて演じられる役なんじゃないかと思った」と振り返り、「観終わって、私自身も救われた」と明かした。そんな倉科は、本作に向けての特別な役作りは行わなかったようで、宅間監督とは「初めてお会いしたときに『ただ父に会いに行くというだけで、現場に取り組んでいいですか?』と言ったら、『それでいいです』と」言われたことを明かし、実際に離れ離れになっている関係性を維持するために、談春とは「現場ではほとんど会話をしていない」と振り返った。

それに対し談春は「その思いを知らないから嫌われているのかと思った」と笑わせ、「撮り終わってから、こんなに気さくでいい人なんだと分かったのが楽しい思い出」と笑顔を見せた。また、談春は「下町ロケット」への出演が本作のプロデューサーの目に留まったことがきっかけで出演することになったが、「1年以上、2か月に一回くらい、『出てください』『嫌だ』と言っているのに、めげなかった」とプロデューサーの必死の説得の末に出演がかなったことを明かした。

ここで、“涙”に一文字追加して、新しい言葉を披露するコーナーとなり、初めに「涙涙」と書いたフリップを出した倉科は「もらい泣き」と読み、続く宅間監督もまさかの「涙涙」と倉科と被る結果に。これには登壇者の観客も大爆笑となった。さらに倉科は「(宅間監督とは)本当に縁があって、焼肉で隣にいた」と偶然居合わせたことがあったことを明かし、観客を驚かせた。また、談春は「涙笑」と書き、「一番大変なのが泣き笑い。泣いた後にちょこっとだけ笑いたい。そうしたら明日が元気になる」と説明。これには宅間監督も「キャストに落語家が一人いると楽ですね。このためのキャスティングかもしれない」と笑いを誘った。

最後に倉科は「たくさんの愛が詰まった、とても人間味のある映画。この映画を観ていただいた後に、ちょっとだけ立ち止まって、自分の心に一度問いかけて、誰に会いたいとか、自分の中にある愛をもう一度見つめていただくきっかけになればいいなと思います」と本作をアピールした。

本作は、幼い頃に離れ離れになった親子が25年ぶりに再会する姿を通して、家族の絆や夫婦の愛を温かく描く感動作。25年前に失踪した父親を探して恋園町にやってくる主人公・高島さつき役を倉科カナ、まっすぐな熱血漢だけど涙もろくて情に厚いテキ屋・雨宮清太郎役を市原隼人が演じるほか、立川談春、原田知世、AKB48の入山杏奈、、高橋メアリージュン、やべきょうすけらが共演する。

【取材・写真・文/編集部】



映画『あいあい傘』は2018年10月26日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開!
監督・脚本:宅間孝行
出演:倉科カナ、市原隼人、入山杏奈、高橋メアリージュン、やべきょうすけ、布川隼汰、永井大、金田明夫、大和田獏/トミーズ雅、立川談春、原田知世
配給:S・D・P
©2018映画「あいあい傘」製作委員会