『ハナレイ・ベイ』の公開記念舞台挨拶が10月20日(土)に新宿ピカデリーで行われ、吉田羊、佐野玲於、村上虹郎、松永大司監督が登壇した。
今回、撮影にあたって吉田は英語とピアノを習得しなければならず「クランクインの1か月半前くらいに譜面が届き、当時やっていた舞台の合間をぬって1日8時間ほど練習していました。本編では2曲しか使われてないですが、課題曲が3曲あったので大変でした。英語の台詞も譜面と同じくらいの時期に届いて、(現地の外国人から)“上手いね”と言って貰わなければならなかったので、発音重視で猛練習しました」とハードな練習の日々を明かした。
新たにサーフィンを学んだ佐野も「サーフィン未経験だったので仕事前に4時~5時に家を出て1~2時間練習して仕事に行っていました。監督も一緒に海に入ってくれたりしましたね」と懐かしそうに振り返った。また、ハナレイ・ベイで行われた撮影では『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ジュラシック・ワールド』などのハリウッド大作映画に携わっているスタッフが参加していたとの事で、吉田は「午前中から撮影して調子が乗ってきたころにきっちりランチの時間が入る。生きるということを重視していて、それがまかり通る(撮影)環境が羨ましいですね」と日米の撮影スタイルの違いについて驚いた様子。
映画のキャッチコピー〈人生で一番大切な人に会いたくなる映画〉にちなんで〈一番大切〉だと思う人について質問されると、吉田は松永監督の名前を挙げ、「女優人生において、原点に立ち返る思いを経験させていただきました。またいつか監督から“吉田さんとやりたいです”と言っていただける女優になりたいなと思っています」とコメント。
また、佐野は本作について、まわりの人たちから何かリアクションはあったかという質問に、所属事務所の代表であるHIROの名前を挙げた。大の映画好きであるHIROから“感じるものがある”と言われたらしく、「作品に参加して良かったと思った」と嬉しそうに語った。村上は“佐野玲於”とコメントし会場の笑いを取りつつも、「大きい映画と小さい映画が二極化していく中で、佐野君や全く違うジャンルで活躍している(佐藤)魁と一緒に仕事出来たことは大きかった」と、吉田と同様にこの作品での出会いが自分にとって大事なものだったと語った。
劇中で吉田演じるサチが語る〈女性と上手くやる為の3箇条〉のように、〈異性にモテる3箇条〉を聞かれた吉田は「自分の意見を持って話を聞く」「尊厳を傷つけない」「筋肉を褒める」と答えた。実体験で筋トレをしているある男性俳優を褒めたら嬉しそうに話しだした経験があったとのことで、隣にいる佐野に吉田が「褒められるためにやっているの?」と冗談交じりに聞くと、佐野は笑顔で「はい!」と答えるなどキャスト同士の仲睦まじいやり取りを見ることが出来た。
ここで佐野から「実は、去年ハワイで撮影中に羊さんにプレゼントを買っていまして・・・」と、吉田へのサプライズプレゼントとしてハワイで購入したアメジストのパワーストーンが渡されると共に、佐野がプレゼントを購入した時の映像もスクリーンで映し出された。佐野が「羊さんを少しでも支えられればと思って選びました」とコメントすると、吉田は「本当に嬉しいです。しかもアメジストは誕生石なので泣きそうです」と嬉しそうに語った。
最後に松永監督が「この映画があるということを一人でも多くの人に伝えて下さい。それに見合うだけのものは作ったつもりです」と映画への思いを改めて語り、吉田は「私にとって女優としてのターニングポイントになった作品を、佐野君も村上君も大事に想っていることが今日の舞台挨拶で改めて分かって良かったです。作品を難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今日でなくとも、明日や1年後に、皆様の中で何かが沁みていけばいいなと思います」と本作をアピールした。
本作は、ハワイ・カウアイ島の美しき湾、ハナレイ・ベイで紡がれる感動の人間ドラマ。ハナレイ・ベイで一人息子をサーフィン中の事故で亡くした主人公サチを吉田羊が圧巻の存在感で見事に体現。サチの息子・タカシを演じる佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)は、役者として鮮烈な印象を残している。サチがハナレイ・ベイで出会う日本人サーファー・高橋を演じる村上虹郎は、不思議な魅力を漂わせる青年を自然体かつ抜群の感性で表現。監督は日本映画界の新鋭・松永大司。
映画『ハナレイ・ベイ』は2018年10月19日(金)より全国で公開!
脚本・監督・編集:松永大司
原作:村上春樹「ハナレイ・ベイ」(新潮文庫刊『東京奇譚集』)
出演:吉田羊、佐野玲於、村上虹郎、佐藤魁、栗原類
配給:HIGH BROW CINEMA
©2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会