『連続ドラマW パンドラIV AI戦争』の放送開始を記念したトークイベントが11月14日(月)に大阪・なんばパークス キャニオンコートで行われ、主演の向井理、河毛俊作監督が登壇した。
600人の観客が集まった今回のイベントで向井は「大阪は熱量があるので、作品に対してあたたかく見守ってもらえるので、その熱意をこちらも返さないといけないと身の引き締まる思い」と挨拶。河毛監督は「『ナニワ金融道』というドラマを撮ってたんで、たびたび来てました。ロケをやってると、いろんな人が集まってきて。照明の位置を直すおじさんとか、いましたね」と大阪に対する思いを語った。
向井は、本作で主演を演じることについて「10年前から連続ドラマWが始まって、その第一作が『パンドラI』。WOWOWの中でも歴史ある作品なので、どれくらい観てる人に爪痕を残せるか、高いハードルでもあったし、楽しみな挑戦でした」と語り、共演者については「シリアスな社会派のドラマですが、現場では実はふざけている人の集まりなんじゃないか、というくらい。撮影の合間は全然シリアスな感じじゃなかったですね。ピリピリしている作品だからピリピリしているのではなく、どういう風に表現すればいいのかを考える、クリエイティブな現場でした」と振り返った。
そんな向井について河毛監督は「繊細で大胆な人、大人で少年、二律背反なものを同時に持っている。時折見せる陰に、むき出しの神経みたいなものを感じて、演出家としてはそこを刺激してみたくなる。その役を生きて、役の痛みを自分の痛みとして変換できる人」と魅力を語った。
作品に込めた想いについて河毛監督は「AI、機械というものは人間が辛い労働から解放されるために作られたもの。簡単に言えば人間の欲望なんです。でも今の時代はテクノロジーが人間の欲望を追い越しちゃったりしてるわけです」と語り、さらに「進化し続ける新しい生命体が生まれたようなもの。それとどう向き合うか。使っているつもりで使われている。それが人間の幸福につながっていくのか、みなさんに考えていただくきっかけになれば」と想いを語った。
また、向井は「結局AIって何だろうって、いまだに自分でもよくわかってなくて。ケータイや車、身近にあるけど、どういうシステムでそうなっているのか、実は誰もわかっていなくて。人工知能って何なんだろう、科学技術って何なんだろうっていうことを考えてもらえるドラマになったのかな、と思う」と明かし、「科学技術の進歩はイコール人間の幸せではないと思うんです。多くの人を救うためにAI を作っても、AIができることで医者の仕事がなくなる・・・人を不幸にするという矛盾もある。そういうパラドックスも潜在的にあるんじゃないかと思わせてくれるドラマでした」とドラマを通してAIについて思うことを交えて語った。
最後に向井は「放送は11日から始まっていますが、WOWOWにしかできない社会派ドラマだと思います。今はオンデマンドでも、いろんな形で視聴できますし。これを機に、WOWOWの“本気”をぜひ体感していただけたら」と本作をアピールした。
革命的な発明により、“パンドラの箱”を開いた人々の運命を描く社会派ドラマシリーズの最新作である本作。“がんの特効薬”、“遺伝子組み換え食品”、“自殺防止治療法”、“クローン人間”と挑戦的なテーマを描いてきた。今回のテーマは多くの分野で注目を集める“AI”。人類にもたらされるのは輝かしい未来ばかりではない。人工知能という“パンドラの箱”が、社会に何をもたらすのかをリアルに描き出す。画期的な医療用AIを開発する主人公を演じるのは向井理。AI診断を導入したIT企業代表の蒲生俊平役に渡部篤郎、医師会会長の有薗直子役に黒木瞳、ほかに美村里江、三浦貴大、シリーズI~IIIに登場する記者の太刀川春夫役を再び山本耕史が演じる。
「連続ドラマW パンドラIV AI戦争」は2018年11月11日(日)よりWOWOWプライムにて放送!
毎週日曜日22:00より放送(全6話)
監督:河毛俊作、村上正典
出演:向井理、黒木瞳、美村里江、三浦貴大、山本耕史、原田泰造、渡部篤郎