山崎直子、ライアン・ゴズリング、デイミアン・チャゼル監督、前澤友作


『ファースト・マン』の来日記念イベントが12月3日(月)に都内で行われ、主演のライアン・ゴズリング、デイミアン・チャゼル監督らが登壇した。

来年2月の本作公開に先駆けて緊急来日した主演のライアン・ゴズリングと、デイミアン・チャゼル監督。二人がタッグを組んだ前作『ラ・ラ・ランド』に続いて2年連続の来日となった二人に加えて、今回行われたイベントには宇宙飛行士の山崎直子、民間初の「月周回旅行」を予定している株式会社ZOZOの前澤勇作社長が登壇した。

昨年に引き続きの来日となったゴズリングは「日本に来るのは大好きなので興奮しています」と笑顔で挨拶。本作へのオファーについては「歴史的な偉業を成し遂げた人物を演じられるのは光栄と同時に、プレッシャーを感じました」と率直な感想を明かした。また、実際に演じるために深く本を読みこんだ結果、「どれだけのことが背景にあったのかを感じた」と振り返った。

本作を『ラ・ラ・ランド』よりも以前から考えていたというチャゼル監督は「月面着陸ほど大きなゴールはない」と語りつつ、本作については「ゴールのための物語というよりも、ニール・アームストロングがなぜゴールへと達することができたのか」という物語に重点を置いたことを明かした。また、ライアンとチャゼル監督はニールの奥さんであるジャネットさんや息子たちにも会って話を聞いたといい、そのことが「助けにもなった」と振り返った。

ここで宇宙飛行士の山崎が登場。本作について「宇宙船の(当時の)ちょっと古めかしいような機械と、危険と隣り合わせの過酷な訓練、一コマ一コマのあたりまえな日常との対比がものすごくリアルだと思った」と宇宙飛行士としての感想を語り、また特に「心理描写に共感した」と語った。これにチャゼル監督は「リアルな作品にすることは重要でした」と答え、「(経験がないことから)描こうとしたこととの距離があると思い、経験した方と時間を過ごすことで埋められると思った」と改めて家族やNASAの同僚の協力が重要だったことを強調し、まら「山崎さんがリアルに感じてくださったのは彼らが協力してくださったから」と感謝の気持ちを語った。

さらにイベントでは前澤社長が登壇。本作を見て、「僕が月に行くことが不安になったスタッフもいた」と明かしつつ、「僕自身はワクワクしています」と笑顔で語った。これに山崎は「とにかく楽しんできていただきたい!」と語り、さらに「前澤さんが旅立つであろう発射台は、私がスペースシャトル ディスカバリー号で旅立ち、ニール・アームストロングがアポロ11号で旅立った発射台」と語り、「ニールさんも明言を残されていますので、前澤さんもご自身の言葉で宇宙を伝えてくださることを楽しみにしています」と期待した。

この二人を見て、チャゼル監督は「この作品を作り、以前よりも(宇宙に行くことに対して)躊躇する気持ちが大きくなった」と語りつつ、「実際に行けてないですし、とてもシュールでユニークな風景が広がっていると思います。それを見られる前澤さんには嫉妬します」と会場を沸かせた。また、ゴズリングは「宇宙服を着て、精巧に作られたセットの宇宙船に乗って撮影を楽しみいましたが、それ以上に高揚したのはカットがかかって地上に降り立った時。楽しいことはたくさんあったけど、自分は行きたいと思わないので、山崎さんや前澤さんの勇気に感服します」と語り、「私にはそんな勇気はないので、地上から陰ながら応援しています」とエールを送った。

人類の夢であり、未来を切り開いた月面着陸計画―。その史上最も危険なミッションを成功に導いたアポロ11号船長アームストロングの視点で壮大なスケールで描いた本作。原作は、ジェイムズ・R・ハンセンの同名著書。「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」―。この名言を残したアポロ11号の船長ニール・アームストロング役をライアン・ゴズリング、アームストロングの妻ジャネット役をクレア・フォイが演じる。監督は最年少記録となるアカデミー賞監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル。

【取材・写真・文/編集部】

映画『ファースト・マン』は2019年2月8日(金)より全国で公開!
監督:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、カイル・チャンドラー
配給:東宝東和
©Universal Pictures