『あの日のオルガン』の“未来の保育士”試写会イベントが2月19日(火)に都内の大学で行われ、戸田恵梨香、大原櫻子、平松恵美子監督が登壇した。
作品を鑑賞した東京福祉大学保育児童学部と日本大学芸術学部映画学科の学生150人を前に、戸田恵梨香、大原櫻子、平松恵美子監督が登壇すると、会場中からあふれんばかりの歓声が沸き起こった。戸田は「この作品を見てどう思うかが気になる。思いが届けば」と挨拶し、日本大学芸術学部映画学科出身の大原は「ここで授業を受けていたので、この光景が異様」と戸惑いつつ、「一刻も早く届けたいという思いだった」と公開が近づく心境を語った。
見終わったばかりの学生からは次々と質問が寄せられ、3人はその質問に対して真摯に受け答えを行った。撮影前には実際に保育園で実習を行ったというキャストたちだが、そのことについて聞かれた戸田は「今朝くしゃみをしたら体をひねってしまって、“年だな”と感じた。体を痛めているときに保育士はどうしているんだろう(笑)」と笑いを誘いつつ、「とにかく体力がいる仕事だと実感しました」と振り返り、さらに学生には「一人でも多くの保育士が増えることを祈っていますし、生きがいを見つけて、それを抱きながら励んでいってほしいなと思います」と語った。
大原は子どもとより近い立場で接していたこともあり、「守ってあげなきゃというよりも、同じ目線で一緒に楽しむのが一番子どもたちといる意味というか、幸せにできる。子ども扱いをしないで、同じ目線で遊んであげるのが幸せなんじゃないかな」と実体験から語った。
また、撮影では子どもたちの素直な言葉もこぼれていたようで、「『なんで戦争なんてやるの?』って純粋な心で、純粋な目で聞いてきて、それにハッとさせられた。子どもの言葉を聞くと、この子たちのために守らなきゃ、未来を私たちがつないでいかなきゃという責任があることを実感させられた」と明かした。
さらに、撮影で大変だったことを聞かれると、戸田は「体力」と即答し、「腰との戦いでした」と明かした。大原は「風邪がはやる。あと言葉のチョイスを間違えるとすごく傷ついたり、いい言葉を投げかけるとすごく笑顔になったり、言葉の受け取り方がすごくピュア。言葉の選択が難しいと思いました」と語った。
最後に戸田は「映画やドラマは感動を与えるだけじゃなくて、同じ空間で見て、語り合うのがよさだと思います。(本作を)どう受け取ってもらえるかわかりませんが、感じたことがこれから先ずっと残っていってくれたらいいなと思います」とメッセージを送った。
本作は、親元から遠く離れた荒れ寺へ、53人の園児たちと疎開生活をスタートさせ、幾多の困難を乗り越え、託されたいのちを守りぬこうとするヒロインたちの奮闘を描いた真実の物語。保母たちのリーダー・板倉楓役を戸田恵梨香、もう一人の主役・保母の野々宮光枝役を大原櫻子が演じる。また、保母役として佐久間由衣、三浦透子、堀田真由、福地桃子、白石糸、奥村佳恵が出演。メガホンをとるのは、長年にわたって山田洋次監督との共同脚本・助監督を務めてきた平松恵美子。
【取材・写真・文/編集部】
映画『あの日のオルガン』は2019年2月22日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督・脚本:平松恵美子
出演:戸田恵梨香、大原櫻子、佐久間由衣、三浦透子、堀田真由、福地桃子、白石糸、奥村佳恵、林家正蔵、夏川結衣、田中直樹、橋爪功
配給:マンシーズエンターテインメント
©2018「あの日のオルガン」製作委員会