『まく子』の完成披露上映会が2月20日(水)にシネ・リーブル池袋で行われ、山﨑光、新音、草彅剛、須藤理彩、鶴岡慧子監督が登壇した。
昨年3月の撮影から約1年が経ち、「撮影の時と違いすぎて・・・。そんなにかっこいいスーツを着こなせるようになったのね」と山﨑の成長に驚きを隠せない様子の草彅は、新音に「撮影中から大人っぽかった」と振り返りつつも「(さらに)大人っぽくなった」と笑顔を見せた。そんな2人を前に、「アフレコしたら声変わりしてて、今日聞いたらますます声変わりしていた。海外深いです」と明かす鶴岡監督。草彅も「その瞬間を切り取った」と、絶好のタイミングで撮影ができたことを喜んだ。
主演を務めた山﨑は、完成した作品を見て「照れくさいのはあったんですけど、原作にできるだけ近づいていたんじゃないか」と満足げな様子。しかし、その山﨑演じる主人公・慧の父・光一役の草彅は昨日原作を読んだことを明かし、これには須藤も「ひっくり返りました。『今!?』って」と明かし、会場は笑いに包まれた。原作をあとから読んだことについて草彅は「原作をこう仕上げていただいて。監督素晴らしいです」と称賛。これに鶴岡監督は「『こういう役だったんだ』とおっしゃってましたね」と明かし、さらに笑いが起きた。
また、須藤は「周りにも(原作者の)西加奈子さんのファンがいる。どうやって映像化するの?って聞かれるんです。監督は見事に映像であの世界を見せてくださった」と鶴岡監督を絶賛。草彅も「この気持ちをみなさんに届けられるのは幸せなことですよね」と語った。
続けて、主人公の男の子が小学5年生という設定であることから、当時について聞かれた草彅は「アイスクリーム食べたいな、ファミコンやりたいなとか。ザリガニ、カブトムシ、カマキリとか。今はカマキリを触れなくなってしまって、少年の心がなくなってしまった」と明かし、笑いを誘った。
また、山﨑と新音は、自身の“未来予想図”を描き持参。たくさんの顔を描き、「髪型とか表情を変えて演技ができたら」と多彩な女優を目指していることを明かした新音。山﨑は「アカデミー賞のレッドカーペットを歩いて、ここにいる女の子はサインをもらってる」と夢を語り、草彅は「すごく才能を持っている方。年は離れているけどすごく緊張したし、そのままがんばってください」とエールを送った。
最後に山﨑は「最初の主演で緊張していたんですけど、草彅さんや須藤さん、監督にもサポートしていただいて素晴らしい映画ができました。楽しみに見てください」と本作をアピールした。
本作は、小さな温泉街に住む小学5年生の男の子・慧が、不思議な魅力をもつ美少女・転入生のコズエと出会い、彼女に秘められた大きな秘密を知ることで、今まで見てきた世界―日常―が優しく塗りかえられていき、ほんの少しだけ大人へと近づいていく思春期ならではの葛藤や親と子の確執と再生を描く“奇跡”の物語。主人公・慧を本作が初主演となる14歳の山﨑光、謎の転入生・コズエ役を今後の活躍が期待される新星・新音、ダメな父親だけれど息子の成長を陰ながら見つめ背中をそっと押す父・光一役を草彅剛が演じる。
【取材・写真・文/編集部】
映画『まく子』は2019年3月15日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開!
監督・脚本:鶴岡慧子
原作:西加奈子「まく子」(福音館書店刊)
出演:山﨑光、新音、須藤理彩/草彅剛
配給:日活
©2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)