『パパは奮闘中!』のトークイベントが3月19日(火)に都内で行われ、ロマン・デュリス、ギヨーム・セネズ監督が登壇した。
今回行われたイベントには、主演のロマン・デュリス、監督のギヨーム・セネズのほか、妻がある日突然行方不明になり、仕事や育児をひとりでこなさなければならなくなった主人公と子供たちの奮闘の日々、愛と絆を描く本作にちなんで、子育てについての第一人者でもある子育てパパを支援するNPO法人ファーザーリンク・ジャパンの安藤哲也が登壇した。
本作が長編監督2作目で今回が初来日となるセネズ監督は、昨年のカンヌ国際映画祭批評家週間での上映の際は「批評家からも観客からも高い評価を得た」と振り返り、「日本も含めて世界で売れているので、このストーリーは普遍的なものがあると思いました」と分析した。
長編映画の前作『Keeper(原題)』の前にも3本の短編映画を撮っているセネズ監督だが、「作品を作るときは普段考えていること、関心があることから発展させることが多い」と語り、本作も前作を制作している際に妻と別れ、2人の子どもを引き取ったことがベースにあることを明かした。
そんなセネズ監督の思いを映画化した本作で主演を務めたデュリスは、セネズ監督の前作『Keeper』を見て「とても気に入っていました」と明かし、本作では「話を聞いた時はシナリオも書かれていなかったんですけど“やりたい”と思いました」と振り返った。
本作では、独特な演出方法がとられており、事前に台本を渡さずに、その場その場で「(セリフを)一緒に見つけていく」という手法をとったことを明かしたセネズ監督。それに対してデュリスは「難しかったのは最初だけでした」と言い、「監督は提案したらポジティブな意見を述べてくれる。常に好意的な気持ちで話を聞いて、そのことで話が豊かになってクリエイションも豊かなものになった」と信頼関係を築けたことが成功への道だったことを明かした。
最後にセネズ監督は「違う文化の方がいろんな捉え方をすると思うし、それぞれの国や人によって感性は違うし、信じているものも違う。僕の映画は観客に創造の余地を持たせています」とメッセージを送った。
本作は、愛する妻がある日突然行方不明になり、仕事や育児をひとりでこなさなければならなくなった主人公と子供たちの、奮闘の日々、愛と絆を描く感動作。第71回カンヌ国際映画祭批評家週間で絶賛された。監督は、初長編作『Keeper』で70を超える映画祭に招待され20の賞を獲得した、ベルギーの新鋭ギヨーム・セネズ。仕事一筋でダメなところもあるけれど心優しい父親をロマン・デュリスが熱演。『若い女』のレティシア・ドッシュが主人公を支える妹役を好演し、注目の実力派が華を添える。妻の大切さに改めて気づき、成長していく父と子供たちが、希望と爽やかな感動を届けてくれる。
【取材・写真・文/編集部】
映画『パパは奮闘中!』は2019年4月27日(土より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開!
監督・脚本:ギヨーム・セネズ
出演:ロマン・デュリス、レティシア・ドッシュ、ロール・カラミー、バジル・グランバーガー、レナ・ジェラルド・ボス、ルーシー・ドゥベイ
配給:セテラ・インターナショナル
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