中野量太監督が直木賞受賞作家・中島京子の同名小説を映画化した『長いお別れ』のメイキング映像が解禁された。
笑って泣いて、前に進んでいく家族たちの新たな愛の感動作。父・昇平の70歳の誕生日会で久しぶりに集まった娘たちに告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実。日に日に記憶を失っていく様子に戸惑いながらも向き合うことで、自分自身を見つめ直していく家族たち。そしてある日、家族の誰もが忘れかけていた“愛しい思い出”が昇平の中に今も息づいていることを知る・・・。次女・芙美役を蒼井優、長女・麻里役を竹内結子、母親・曜子役を松原智恵子、認知症を患う父親・昇平役を山﨑努、麻里の息子・崇役をオーディションで抜擢された蒲田優惟人が演じる。さらに中村倫也、北村有起哉らが共演する。
今回解禁されたメイキング映像は、東(ひがし)家の次女・芙美役の蒼井優、長女・麻里役の竹内結子、母・曜子役の松原智恵子が、中野監督とともに撮影現場で和気あいあいと談笑する姿が映し出されている。認知症を患い、ゆっくりと記憶を失っていく父とのお別れまでの7年間を描いた本作では、劇中で東家を取り巻く環境も刻々と変化していく。その中でも、我々にとって最も身近な存在であり、環境の変化を強く感じられるスマートフォンを手にとって、過去のバージョンを懐かしむ姿が切り取られた。
親子役としての共演ではあるものの、スマートフォンを手にとりあって談笑する3人の姿は、まるで仲の良い三姉妹。父を軸として家族の物語が描かれる本作では、この3人の信頼関係はまさに映画の要となるところ。中野監督曰く、「あの3人が上手くいったのが面白かったですね。松原智恵子さんに至っては、少女のようですから(笑)。現場でも松原さんが一番下の妹みたいになっていましたが、その雰囲気が作品に出ていたのかも知れません」と当時を振り返り、3人の関係性が映画に与えた影響の大きさを明かしている。
実は本作の原作小説では実際に三姉妹という設定だったところ、あえて二人姉妹にするという大胆な変更が施されている。原作を映画化するにあたり、まず物語を四段階に分け、時代を四つに分けるということを考えた中野監督。「お父さんとお母さんの世代、娘たちの世代、孫の世代、それぞれ三世代を描くためにお父さんを軸にする。そうするうちに構成が決まり、各パートを整理していたら、三姉妹というのは「どうやら少し多いのではないか?」と感じたんです。骨子は変わっていないけれど、人物像に関しては自分なりの解釈を加えています。」と明かしており、原作の良さを引き出しつつも、登場人物を減らし、物語を整理することで、親・子供・孫のどの世代が見ても“気づき”を得られる、新たな家族の物語を作り上げた。
原作者である中島からも「こんな感じになるのね、すごく面白い!」とお墨付きをもらったという設定変更は、映画ならではの見どころの一つ。映像内では、和やかなムードで現場を楽しむ3人の姿に加え、真剣な様子で芝居に取り組む蒼井、竹内、松原の姿も捉えられている。
メイキング映像
映画『長いお別れ』は2019年5月31日(金)より全国で公開!
監督:中野量太
出演:蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努
配給:アスミック・エース
©2019『長いお別れ』製作委員会