『轢き逃げ -最高の最悪な日-』の完成披露試写会が4月16日(火)に都内で行われ、中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、檀ふみ、岸部一徳、水谷豊監督、テーマソングを担当した手嶌葵が登壇した。

本作が『TAP -THE LAST SHOW-』に続く監督2作目となる水谷監督は、前監督作を撮り終えた時点で、「60代で3本撮りたいという思いがある」と明かし、本作についてはプロデューサーと話をしているときに「水谷さんのサスペンスが見てみたい」と言われたことがきっかけで書き始めたという。その時点で「気が付いたらどんどん本になっていった」というほど熱量がこもったものが出来上がったようで、アイデアが溢れて止まらなかった?というMCからの質問に水谷監督は「誰も止めてくれなかった(笑)」と返し、会場の笑いを誘った。

今回、オーディションで選ばれた中山と石田。中山は「非常に難しい役柄」と認識しつつも「映像にするとどうなるんだろうとワクワクしました」と振り返り、石田は「とてつもない役が来たなと思いました」と明かし、「監督が水谷さんだったので、プラスで緊張した」と明かした。

また、小林も「緊張が止まらない状態だった」と先輩俳優たちに囲まれた現場を振り返りつつ、「みなさん柔らかく受け止めてくださって、この現場でよかった」と笑顔を見せた。

水谷監督自身が「返事が来るまでの間がすごいサスペンスだった」と緊張する様子を見せる出演のオファーだが、そんな水谷監督からのオファーに出演することを決めた檀は「俳優として素晴らしく、若いころから尊敬して憧れていました。監督としても素晴らしいです。テイク数もそれほど多くないので、あとからカットが足りなくなるんじゃないかと心配したんですけど、見たら完璧だった」と大絶賛した。

本作は神戸でのロケが行われたが、「神戸にしかない魅力が見えた」と中山が語ると、石田も「(中山)麻聖くんと明石焼き食べに行ったり、神戸を満喫しました」と明かし、さらに小林は「たくさんスイーツを食べて楽しませていただきました。監督から軍資金をいただきまして、4人で神戸牛をごちそうになりました。一番神戸を感じた瞬間でした」と明かし、これに会場は大爆笑となった。

最後に水谷監督は「子どものころからたくさんの映画を見てきました。様々なジャンルの映画に心を動かされ、感動して育ってきました。僕がこれまでに心を動かされてきた映画のようになることを、観客の皆さんが同じ思いになってくれることを願って作るのですが、『轢き逃げ』がそうなっているかは分かりません。もうすぐ分かります」とメッセージを送った。

ある地方都市で起きた交通事故。一人の女性が命を落とし、轢き逃げ事件へと変わる。加害者、被害者だけでなく、平穏な日常から否応なく事件に巻き込まれる人々。それぞれの人生が複雑に絡み合い、それぞれの抱える心情、隠された思いが浮き彫りになっていく。だが、本当の「真相」はまだ深い闇の中にあった・・・。初監督作品『TAP -THE LAST SHOW-』における圧巻のタップダンス映像と確かな演出で、監督としての第一歩を踏み出した水谷豊による監督第2作は一転して、他人には見せる事のない“人間の心の奥底”に深く切り込む。

【取材・写真・文/編集部】

映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』は2019年5月10日(金)より全国で公開!
監督・脚本:水谷豊
出演:中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉/水谷豊、檀ふみ、岸部一徳
©2019映画「轢き逃げ」製作委員会