「連続ドラマW 坂の途中の家」の完成披露試写会が4月23日(火)にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、柴咲コウ、田辺誠一、伊藤歩、眞島秀和、水野美紀、さらにサプライズゲストとして子役の松本笑花が登壇した。
今回、WOWOWのドラマに初出演にして初主演となった柴咲は「周りの人から『ドラマWはすごくいいよね、良質だよね』と聞いていたので、それに出られるんだなというのがうれしかった」と明かし、全6話での構成についても「頭の中が整理やすい」と語った。また、森ガキ監督の現場については「雰囲気がとてもよく、すがすがしい風が吹いているような風通しがいい中で撮影ができた」と笑顔を見せた。
昨年にも連続ドラマWに出演した伊藤は「(エンドロールを見ていて)どこの北欧のすごい歌手が歌ってるんだろうと思ってテロップを見たら『え、コウちゃん!?』ってLINEした」と柴咲が歌う主題歌「silence
」に驚きを隠せない様子だった。その楽曲について柴咲は「撮影を終えてすぐに作詞に取り掛かった」と明かし、「里沙子を演じ終えたほやほやだったので、物語を再構築することができた」と思いを込めて作詞したことを語った。
また、演じた里沙子について、柴咲は「共感する部分と反する部分、どちらもあるなというのが正直なところ」と明かし、「私自身は物事をはっきり言ってしまうタイプ。伝えないと始まらないというところは相反する部分かと思いつつ、空気を読みすぎるところもある」と語った。さらに「脚本自体は考えさせられるもので、読んだ瞬間から社会での自分の役割を考えてしまって、重要なテーマを与えられたなと思います」と語った。
そんな柴咲演じる里沙子の夫・陽一郎を演じる田辺は「最初に顔合わせした時の空気を覚えています。“すごい本だね”って、みんな暗黙でこれからこれを撮るんだという空気」と振り返り、自身の役どころに付いては「無自覚に人を傷つける。言葉に気を付けなければいけないなと思いました」と語った。
舞台挨拶の終盤では、劇中で里沙子の娘・文香を演じた松本笑花が登壇し、久しぶりの再会に柴咲は「大きくなったね」と笑顔で見つめあった。最後に柴咲は「言ってしまった一言が相手を傷つけるんじゃないかという思いやりは必要だと思うのですが、何かを言うことが罪になる社会にはなってほしくない。バランスであり、想像力が必要な世の中なんだなというのを、この作品にかかわってからより深く考えるようになりました。みなさんも何かを考えるきっかけにしていただけたら嬉しいなと思います」とメッセージを送った。
なお、この日登壇予定だった森ガキ侑大監督はインフルエンザのため欠席となった。
子育てに疲れ果てても弱音を吐くことすら出来ない世の母親たち。母親だけではなく、父親、祖父母など誰もが子育てに関して何かしらの葛藤と悩みを抱えている。最前線で戦っている母親たち、そしてその周りに生きる人々に対し、“家族愛とは”“母性とは”“生きるとは”という、普遍的だが心に突き刺さるテーマを、投げかける─。主演を務めるのは、連続ドラマへの主演が大河ドラマ「おんな城主 直虎」以来、2年ぶりとなる柴咲コウ。本作では3歳の娘を持つ専業主婦・里沙子役を演じる。
【取材・写真・文/編集部】
「連続ドラマW 坂の途中の家」は2019年4月27日(土)よりWOWOWプライムにて放送!
毎週土曜日22:00より放送(全6話)※第1話無料放送
監督:森ガキ侑大
原作:角田光代「坂の途中の家」(朝日文庫刊)
出演:柴咲コウ、田辺誠一、伊藤歩、眞島秀和、桜井ユキ、松澤匠、松本笑花、西田尚美/倍賞美津子、高畑淳子/佐藤めぐみ、滝沢沙織、利重剛、酒井美紀、光石研、風吹ジュン、水野美紀
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