『海獣の子供』の完成報告会見が5月9日(木)に都内で行われ、芦田愛菜、石橋陽彩、浦上晟周、森崎ウィン、田中泯、渡辺歩監督が登壇した。

今回行われた記者会見には、芦田愛菜(安海琉花役)、石橋陽彩(海役)、浦上晟周(空役)、森崎ウィン(アングラード役)、田中泯(ジム役)、渡辺歩監督の6人が登壇し、米津玄師の新曲「海の幽霊」が使用された予告編が初披露された。

主人公・琉花役の声を担当する芦田は、本作の感想を「水の表現がダイナミックで、生きているよう」とその表現力の高さに驚いたようで、さらに久石譲が担当する音楽が重なったことで「命を感じました」とコメント。その久石による音楽について、渡辺監督は「個人的に大ファン」だったことを明かし、ダメ元で頼んだところ「作品の世界に共感してくださった」とタッグを組むことが決定したという。

海役の石橋や、空役の浦上に続いて、アングラード役の森崎も「作品を見て、一番最初に浮かんだのはきれいな“?”でした。28年間生きてきて、こんなに考えて、想像したことあったかなと振り返るくらい」と考えるきっかけにもなったという。

また、芦田、石橋、浦上が個別に行い、森崎と田中は一緒にも行ったというアフレコ。芦田が「(監督が)同じブースにいて、隣でディレクションしてくださったので、監督が思っている琉花と私が思っている琉花が重なり合って形作られて、演じやすかった」と語ると、石橋も「監督が隣にいてくださって」、浦上も「右も左もわからない状態で臨んだので不安だったのですが、隣に監督がいらっしゃったので」と渡辺監督との共同作業が若きキャストたちの助けになっていたことが明かされた。

会見では本作の予告編第2弾が初披露され、同じく米津による主題歌を使用したこの映像を見たというキャストたち。芦田は「ジムの『人間は言葉にしないと、思っていることの半分も伝えられない』というセリフが印象的で共感して、米津さんの歌詞の中にも『大切なことは言葉にならない』というフレーズがあって、言葉で表現できないことはたくさんあるけど、ちゃんと理解しよう、言葉にしようではなくて、その時に感じたことそのものを心に留めておくことが大切なのかなとこの映画を通して思ったので、米津さんの曲が心に響きました」と語った。

また、芦田は以前から米津の曲を「すごく好きでよく聞いていた」といい、「歌詞に魅力を感じて、おもちろん曲も好きです。米津さんのことが好きだったので、主題歌を歌ってくださると聞いた時は、びっくりしてどんな曲になるのかが楽しみでした」と振り返った。

最後に芦田は「ご覧になられたみなさんそれぞれに思うこと、感じることがあると思います。それは(それぞれが)違っていいと思います。明確な答えを求めるのではなく、その時に感じたことを大切にしていただけたらうれしいなと思います」とメッセージを送った。

自然世界への畏敬を独自の漫画表現で読者を魅了し続ける漫画家・五十嵐大介の「海獣の子供」を、『鉄コン筋クリート』で第31回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞し、そのハイエッジな映像表現で確固たるブランドを築いてきたSTUDIO4℃が映像化した本作。主人公・琉花を芦田愛菜、琉花と共に物語の鍵を握る二人の少年・弟の海を石橋陽彩、兄の空を浦上晟周が演じる。さらに稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、富司純子が参加。音楽は映画音楽界の巨匠・久石譲が担当。

【取材・写真・文/編集部】

映画『海獣の子供』は2019年6月7日(金)より全国で公開!
監督:渡辺歩
原作:五十嵐大介「海獣の子供」(小学館 IKKICOMIX刊)
声の出演:芦田愛菜、石橋陽彩、浦上晟周、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹/田中泯、富司純子
配給:東宝映像事業部
©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会