中野量太監督が直木賞受賞作家・中島京子の同名小説を映画化した『長いお別れ』のメイキング特別映像が解禁された。

笑って泣いて、前に進んでいく家族たちの新たな愛の感動作。父・昇平の70歳の誕生日会で久しぶりに集まった娘たちに告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実。日に日に記憶を失っていく様子に戸惑いながらも向き合うことで、自分自身を見つめ直していく家族たち。そしてある日、家族の誰もが忘れかけていた“愛しい思い出”が昇平の中に今も息づいていることを知る・・・。次女・芙美役を蒼井優、長女・麻里役を竹内結子、母親・曜子役を松原智恵子、認知症を患う父親・昇平役を山﨑努、麻里の息子・崇役をオーディションで抜擢された蒲田優惟人が演じる。さらに中村倫也、北村有起哉らが共演する。

今回、蒼井、竹内、松原、山﨑はもちろん、東家の次女・芙美の恋人である道彦を演じた中村倫也や、長女・麻理の夫・新を演じた北村有起哉らも登場する豪華メイキング特別映像が解禁された。本映像で映し出されるのは、クランクイン初日の現場の様子や、本作で本格的な初共演となった蒼井と竹内が、姉妹揃って真剣に芝居に向き合う姿、撮影の合間に知恵の輪でつかの間の休息を楽しむ松原の無邪気な笑顔などが切り取られているほか、バツイチ子持ちで芙美の恋人・道彦役として登場する中村が、真剣に中野監督と演技プランについて語り合う様子なども捉えられている。

何より興味深いのは、映像終盤、認知症の症状を分析・研究しながら撮影に挑む中野監督と山﨑の姿だ。「はじめてのステージ1です」という中野監督の言葉にある通り、撮影中は認知症の症状をステージ1~4までの段階に分けて進行。山﨑自身、その症状や演技プランを考え抜いた上で現場に臨んでいたとかで、その都度、状況に応じて、認知症の進行具合すらも演じ分ける圧巻の芝居を披露している。本編では一体どんな仕上がりになっているのか、ぜひスクリーンで堪能してほしい。

家族をテーマに映画を撮り続け、物語の構築や台詞の在り方、言葉の選択にこだわり続けた結果、最終的に2年半もの年月をかけて本作を描き出した中野監督。この映画の描くべき本質を忘れないために、「認知症は、記憶を失っても、心は生きている」という言葉を台本の裏表紙に書き込み、“今撮るべき“という強い意思を持って作り上げた。

メイキング特別映像

映画『長いお別れ』は全国で公開中!
監督:中野量太
出演:蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努
配給:アスミック・エース
©2019『長いお別れ』製作委員会