『新聞記者』の完成披露上映会が6月4日(火)に丸の内ピカデリーで行われ、シム・ウンギョン、松坂桃李、高橋和也、北村有起哉、田中哲司、藤井道人監督が登壇した。
『サニー 永遠の仲間たち』や『怪しい彼女』で知られる韓国の女優、シム・ウンギョンが演じるのは“父は日本人、母は韓国人、育ちはアメリカ”という吉岡エリカ。本作では全編日本語での演技に挑んでいるが、今回の舞台挨拶の冒頭では、日本と韓国での撮影の違いについて「撮る期間が違います。日本だと2週間で撮れる映画がたくさんあるので驚きました」と流ちょうな日本語で答え、また「最初は『新聞記者』という映画をちゃんと撮れるか悩んだ時期がありましたが、持っている集中力を全部出してがんばりました。この映画は貴重な経験になって、自分の芝居も成長できたと思います」と笑顔でコメントした。
シム・ウンギョンとW主演を務めた松坂桃李は、“20日間ないくらい”という撮影期間について、「ギュッと詰まったスケジュールの中で、スタッフとキャストが一丸となってやらせていただいた。結構ズシッとくるシーンが多く、なかなか気持ちがあがることが難しかった」と苦労を明かした。また、自身の役どころについては「目の前で起こる一つ一つの出来事に対して、思いや信念をぶつけて立ち向かって動いたりして、そのたびに問いただすことを繰り返して進んでいく。果たして自分もそういうことができているのかを改めて実感した」と振り返った。
舞台挨拶では、ウンギョンが劇中で演じる役どころさながらに記者となってほかの登壇者に質問するコーナーもあり、「セリフを覚えるときはどこで覚えますか?」と質問。これに松坂は「焼肉を焼きながらとか、何かをしながらです。負荷を与えながら覚える」と明かした。
また、「お休みの日はどんな風に過ごしていますか?」という質問には、「朝から晩まで映画を見る。はしごします」と答えた藤井監督。田中は「セリフ覚えるか育児やってる」と答え、会場を沸かせた。松坂は「ひたすらテレビ見てます」と答え、北村から「自分を追い込んだりは?」と質問されると、「解放されたいですね。バーン、ボーン、デーンみたいな」と、足を延ばし切って座るようなジェスチャーを交えて答え、会場からは笑いが起きた。
さらに、「最近泣いたことはありますか?」という質問に「めったに泣かないんです。肘を思いっきり椅子にぶつけて・・・」と激痛体験を明かしたが、「映画を見て泣かないの?」という北村からの問いに「感動したなとはなるんですけど、ウルウルというところまではなくて・・・。すいません本当」とっ苦笑。続けて、北村は「僕はこの映画を見て、何回かグッときましたよ」とコメント。これに松坂は「ああっ・・・何も言えなくなる(笑)」と苦笑。ウンギョンも「だから質問したのに(笑)」とコメントし、松坂は「はい・・・」と一言答え、笑いを誘った。
最後に松坂は「いまだにこの作品がどういう作品かという言葉がなかなか見つかっておらず。初めての経験なんですけど、それくらい一言でまとめられない作品なんだと実感しています。先入観を持たずに見て、そのまま感想を添えてもらえれば幸いです」と観客にそれぞれの想いをコメントしてほしいとメッセージを送った。
一人の新聞記者の姿を通して報道メディアは権力にどう対峙するのかを問いかける衝撃作。本作は、東京新聞記者・望月衣塑子著「新聞記者」(角川新書)を原案に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いたオリジナルストーリー。主演は、新聞記者の吉岡エリカ役を演じるシム・ウンギョンと、内閣特別調査室に務める若き官僚・杉原拓海を演じる松坂桃李。
【取材・写真・文/編集部】
映画『新聞記者』は2019年6月28日(金)より全国で公開!
監督:藤井道人
出演:シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博、長田成哉、宮野陽名/高橋努、西田尚美、高橋和也/北村有起哉、田中哲司
配給:スターサンズ、イオンエンターテイメント
©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ