香取慎吾「白石組を見たら僕がいるみたいに参加できたらうれしい」と白石和彌監督との再タッグを熱望―『凪待ち』完成披露試写会にキャストら登壇

『凪待ち』の完成披露試写会が6月5日（水）にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、音尾琢真、リリー・フランキー、白石和彌監督が登壇した。

舞台挨拶が始まる前の注意事項を読み上げる香取の声に、すでに大きな盛り上がりを見せた今回のイベント。青と白の光に包まれてキャストらが登場したが、リリーは「慎吾ちゃんがやっていたのにあまり気づかれなかったことにテンションが下がってたんです」と明かすと観客からは「気づいてた！」の声が飛び交い、これには香取も笑顔を見せた。

劇中ではパートナーという役どころに香取と西田は本作が初共演となるが、「香取さんがとても素敵」と振り返る西田は「海が見えるお家の近くで、いつも椅子に座って風に吹かれていた香取さんがとても好きでした」と明かすと、香取は「うれしいです」と笑顔を見せた。そんな2人との共演シーンが多い恒松は「とても心地よかった」と振り返りつつ、「一番楽しそうに食べてるシーンが短くカットされていて、『私の幸せなシーンはどこにいったの！？』って思ったんですけど（笑）」と明かし、会場の笑いを誘った。

また、舞台挨拶の途中で「暑いから誰かハンカチを」という香取に「こんなところにハンカチが」と自らのハンカチを差し出した音尾。しかしはじめは「それは申し訳ないです」と断った香取だが、「使いますか？」と改めて問う音尾に、香取は「音尾さんのは嫌です」と冗談を交えて答え、これには会場は爆笑に包まれた。

本作では白石組の常連ともいえるリリーと音尾が出演しているが、リリーは「慎吾ちゃんの強烈な色気にドキドキしながら過ごしていた撮影期間でした」とコメント。音尾は「今回も素敵な役をいただきまして、おかげで香取さんとも出会えた」と語った。そんな2人を見て香取は「リリーさんや音尾さんみたいに、白石組を見たら僕がいるみたいに参加できたらうれしい」と再びのタッグを熱望。音尾は「すぐ死ぬでもいいですか？」と言ったものの、白石監督は「音尾くんみたいに雑には扱わないので」とコメントし、音尾は「そういうことですか～！」とすねたそぶりを見せ、会場は笑いに包まれた。

ここで、“凪待ち何待ち”キャンペーンにちなんで、“何待ちですか？”という問いに、「この映画の公開待ち」と主演らしく答えた香取。しかし、「きれいすぎてこれじゃダメだろうな。完全体の体を待ってます」とコメントし、「一生ダイエットしてるんです。今まで何年も、“今年こそは”と言い続けて」と明かした。また、音尾は「香取さんと撮った2ショット写真上げ待ち」と答えると、思い出したかのように後ずさる香取。さらに「『音尾さんの出演情報がアップされたら上げる』って（香取が）言ったんです。いざアップされたんですけど、いまだに何も起こらず」と香取が2ショットを上げないことにショックを受けている様子を見せ、会場を沸かせた。

さらにイベントでは、全国縦断完成披露イベント企画が発表され、全国5大都市をめぐって完成披露イベントが行われることが明かされると会場からは大きな拍手が起こった。香取は「きっと僕一人だと思います」と言いつつ、「楽しみに待っててください」とコメント。

舞台挨拶後に囲み取材に応じた香取とリリー。今後の活躍について、香取は「一緒に何かをやってみたいと思ってくださる方がいたらぜひご一緒したい」とさらなる俳優としての活動に意欲を見せた。また、放送作家としてリリーと仕事を共にしていた香取は、リリーについて「撮影が終わったら本当にスナックに行くんです」と明かしつつ、「そのあとに撮影現場に戻って撮影を見て」と驚いた様子で、これにリリーは「このシーンは生で見たいなと、寝ないで起きていました」と明かした。

香取は本作について「素敵な作品に参加できたと思います。新しい道を歩み始めて一年以上経つんですけど、初めての一人の映画でプレッシャーや緊張、気負いすぎているところがあるんですけど、完成したものを見たときに、遺文の映画という思いではなく、白石監督の映画『凪待ち』として本当に素晴らしい映画になった」とアピールした。

本作は、『孤狼の血』や『彼女がその名を知らない鳥たち』など多数の話題作を世に送り出し、現在、日本映画界の期待を最も集める監督・白石和彌が、待望していた香取慎吾と初タッグを組むオリジナル脚本作品。香取慎吾が演じるのは、パートナーの女性とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻市で再出発しようとする男・郁男。平穏に見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。人生につまずき落ちぶれた男の再生の物語、誰も見たことない香取慎吾がここにある。香取演じる郁男のパートナーの女性の娘・美波役を恒松祐里が演じる。

【取材・写真・文／編集部】