『アマンダと僕』の初日舞台挨拶が6月22日(土)にYEBISU GARDEN CINEMAで行われ、ミカエル・アース監督とヴァンサン・ラコストが登壇した。
今回、2度目の来日となるアース監督とラコストだが、去年の東京国際映画祭以来の来日となったアース監督は「東京国際映画祭では温かい歓迎を受け、大変優しい言葉をいただきました。こうして日本で映画を上映できることを光栄に思います」と挨拶。日本については「優しさのようなものと、心地よさを感じます」と語った。
昨年夏に東京、京都、箱根を訪れたというラコストは、その時の訪問を「とても気に入りました。特に京都に惹かれました」と明かしつつ、「とても暑くて、人生で初めて40度を経験しました」と夏の暑さに驚いた様子だが、「人々は優しく丁寧で、(街が)とてもきれいです」と印象を語った。
本作は“絆”をテーマに、悲しみなどを描いている作品だが、ラコスト自身は「(これまでは)コメディタッチの役が多かったので、違う役に挑戦してみたかった」と振り返った。そんなラコストのキャスティングについて、アース監督は「安かった(笑)」と笑いを誘いつつ、「優美さもあり、光もあり、軽さもある人が必要でした。(ラコストは)それを全部持っています」と称賛した。
オーディションで“数百人に会った”という中で見事抜擢されたアマンダ役のイゾール・ミュルトリエについて、アース監督は「ヴァンサンと同じく、彼女も光を持っている」と明かし、そんなミュルトリエとの共演について、ラコストは「彼女はシナリオをきちんと理解していました。演技に集中していました。最終的にお互いのことを知っていたのでうまくいきました」と振り返った。
今回、自身と同世代の役を演じたことについて、ラコストは「ある意味同一視することができました」と明かし、「映画の準備をするときはシナリオを全部読み込み、シチュエーションを理解しておきます。今回のような感情がほとばしる役は初めてだったので不安でしたが、身を任せて演じられるような環境をつくってくださいましたので、苦労することなく感情表現をすることができました」とアース監督の手腕を称賛した。
ダヴィッドは、パリに出て来たばかりのレナに出会い、恋に落ちる。しかし、突然の姉の死によって彼の穏やかな日常は壊れていく―。悲しみに暮れる中、ひとりぼっちになった姪のアマンダの世話をすることになる。美しいパリの街を舞台に、悲しみから乗り越えようとする青年と少女の心の機微を優しく紡いだ物語。主演は、フランスで主演作が立て続けに公開される注目の若手俳優ヴァンサン・ラコスト。アマンダ役には、本作が演技初経験のイゾール・ミュルトリエ、そして恋人レナ役にはステイシー・マーティン。第31回東京国際映画祭で東京グランプリ&最優秀脚本賞のW受賞に輝いた。
【取材・写真・文/編集部】
映画『アマンダと僕』は全国で公開中!
監督・脚本:ミカエル・アース
出演:ヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトリエ、ステイシー・マーティン、オフェリア・コルブ、マリアンヌ・バスレー、ジョナタン・コーエン、グレタ・スカッキ
配給:ビターズ・エンド
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