SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019のオープニング・セレモニーが7月13日(土)にSKIPシティ映像ホールで行われ、ノミネート作品関係者や、オープニング上映作品『イソップの思うツボ』のキャスト・スタッフが登壇した。
国際/国内コンペティションのノミネート監督らに加えて、三池崇史監督をはじめとした審査委員が一堂に会したセレモニーに引き続き行われた、オープニング上映作品『イソップの思うツ』の舞台挨拶。
本作では、浅沼直也監督、上田慎一郎監督、中泉裕矢監督という3監督が共同監督を務めているが、その出会いは2012年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。浅沼監督は「まさかこんな日が来るとは思っていなかった」と振り返りつつも「あまり仲が良くなかった」と明かし、会場の笑いを誘った。その後、2015年に公開された『4/猫 ねこぶんのよん』で早坂亮輔監督を加えた4人の監督がオムニバス映画を作り、その宣伝を行う過程で距離が縮まっていったことを明かした。
3人で監督するという本作に挑戦するにあたって、「本格始動して2年以上は企画が固まらなかった」と明かす上田監督。中泉監督も「1年経って、同じ話をしているということもありました」と振り返った。しかし、その間に3監督で互いの映画を見せ合うなどして理解しあうことで、本作の完成につなげたという。
そんな個性豊かな3人の監督のもとに集った俳優陣だが、井桁は「シーンごとに監督が違う。分からないことをどなたに聞けばいいか分からない。どなたに相談するかを相談する」と明かしたものの、結果的には「いろんなアイデアが出たり、いろんな議論をさせていただいた。充実した現場でした」と振り返った。
上田監督から「何を考えているか分からない色気みたいなものがオーディションの時からあって、それに惹かれた」と称賛された石川は、思わずネタバレしそうになりつつ「3人の熱量が合わさったシーンがあったんです。こっちも圧迫されている中ですごい熱量を感じた」と監督の作品に挑む姿勢に感銘を受けていた様子を見せた。
また、中泉監督から「個性的でワードのセンスがある。僕らも気づかないことを話しに混ぜ込んでくる」とコメントされた紅甘は「監督が3人いるんですけど、もはや1人もいない。それぞれの家族について身近でいたので、1人に従うという感じではなかった」と現場を振り返った。
最後に浅沼監督は「2012年に会ってからそれぞれが成長して再会して届けられるのはうれしい」と笑顔を見せ、上田監督は「大変だと思ったけど、やめておけと言われれば言われるほどやってみたくなってチャレンジした。この映画を作れてよかったと思える瞬間があって、そう思えたのがうれしい」とコメント、中泉監督は「3人のヒロインを魅力的にとっている映画なので見てもらえれば」と本作をアピールした。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、デジタルシネマにフォーカスを当て、国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門)の2部門3カテゴリーのコンペティション上映を中心に開催。これまで、『孤狼の血』『凪待ち』の白石和彌監督、『長いお別れ』の中野量太監督、『ピンカートンに会いにいく』の坂下雄一郎監督、昨年の日本映画界最大の話題作『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督、今年3月に公開されて話題を呼んだ『岬の兄妹』の片山信三監督など、今や日本映画界のトップランナーに飛躍した監督や、新作を心待ちにされる監督たちが多数受賞を果たしており、新たな才能を発掘する“若手映像クリエイターの登竜門”として成長してきた。
『イソップの思うツボ』は、動員数220万人以上、興行収入31億円を突破し、2018年最大の話題作となった『カメラを止めるな!』の上田慎一郎によるオリジナル脚本&トリプル監督作品。上田と共に監督を務めるのは、『カメ止め』で助監督を担当し、スピンオフ版の監督も務めた中泉裕矢と、同作でスチールを担当した浅沼直也。3人が共同で監督を務め、それぞれの特徴を生かして演出された、『カメ止め』を超える“ネタバレ厳禁”の濃厚な時間が待ち受ける。
【写真・文/編集部】
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019は2019年7月13日(土)~21日(日)にSKIPシティ 映像ホール(埼玉県川口市)ほかにて開催!
映画『イソップの思うツボ』は2019年8月16日(金)より全国で公開!
監督:上田慎一郎、中泉裕矢、浅沼直也
出演:石川瑠華、井桁弘恵、紅甘、斉藤陽一郎、藤田健彦、髙橋雄祐、桐生コウジ、川瀬陽太、渡辺真起子、佐伯日菜子
配給:アスミック・エース
©埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ