今回解禁されたビジュアル


大森立嗣監督オリジナル脚本による最新作『タロウのバカ』のチラシ特別ビジュアルが解禁され、併せて各界の著名人からコメントが到着した。

タロウ、エージ、スギオ。刹那的に生きる3人の少年を描く、純粋で過激な問題作。生まれてから一度も学校に通ったことがない主人公・タロウを演じるのは、本作が俳優デビュー作となる16歳のYOSHI。菅田将暉と仲野太賀が、タロウと行動を共にする高校生のエージ役とスギオ役を演じる。全編が寓話のようでいて、まるで今の日本社会の理不尽さを取り込むように、フィクションであることを忘れるほどの生々しいリアリティとスリル溢れる映像世界を描き出した本作。大森立嗣監督が20年余り前から書き温めていたオリジナル脚本による、渾身の一作に仕上がっている。

今回解禁されたチラシ特別ビジュアルでは、タロウ、エージ、スギオの3人が街中で馬に乗っている衝撃的なカットを使用。「おれはだれのさしずもうけない」・・・社会のシステムからはみ出した3人の少年の衝動と生き様を描いた本作のエネルギッシュな魅力が伝わるビジュアルになっている。

瀬々敬久(映画監督)

全てが今この瞬間に起こっていて、生きてるそのもののような連続。
いちばん最初の映画だ、そう思った。
だって、これは神話のような顔さえ持ってる。

真木よう子(女優)

エージに憧れ、タロウに希望を持ち、スギオの混沌の中で生きている。
三者は完璧な配役をされていて、劇中で彼等が「とぶ」事を望んでしまう。
私にとっては、映画史に残る名作となった。

会田誠(美術家)

日本の時代状況に対する監督の危機感と怒りに満ちた、気合いの入った映画。
良い意味ですが、かなり精神にダメージを食らいました。心して観ましょう。

角田光代(作家)

世のなかの、わけのわからないことにすべて名前をつけたら、
生きていくのはこわくなくなるのかな。
世界は私のものだと思えるのかな。
――そんなはずないじゃん、とタロウに笑われた気分。

新井英樹(漫画家)

この世界に居場所のなくなった
言葉にならない「感じたい」が
愛おしく必死に人間の姿で叫んでた!

坂井真紀(女優)

どこかの知らない誰かでなく、
「わたしたち」を見せつけられたような気がしました。
心が苦しくなりました。悲しくなりました。
「わたしたち」が憎たらしくて、愛おしくなりました。
「わたしたち」を諦めたくないと優しい気持ちになりました。

板尾創路(130R/俳優)

少年達はライオンのように乱暴であるが
純粋で嘘はひとつもついてない。
フィクションでありながら大人は責任を感じ、胸が痛いだろう。

山戸結希(映画監督)

無宗教の風土に待ちぼうけ、
祈りをめぐる聖書を演じてみたならば、
飛び立つことの許されぬ彼らの、
すべての跳躍がうつくしかった。

操上和美(写真家)

希望も絶望もなく、
ひたすら時の狭間を疾走する
少年たちの輝きが網膜に
焼きついて---離れない。

宮台真司(社会学者)

社会の外に押し出された者にだけ見えるものがある
‐大森立嗣の一貫した視座だ。
今回はオリジナル脚本を引っ下げ、思わせぶりを一切排除して、
社会に殴り込みをかけてきた。気押されて終わるか、
大森立嗣が静かに見つめてきた光を感じるか、観客こそが問われている。

熊切和嘉(映画監督)

美しい国づくりから除外された、寄る辺なき者たちの叫び。
あがいてもあがいても、高架で囲まれた
このちっぽけな世界からは抜け出せない。
胸キュンやお涙頂戴とは無縁の、異形の青春映画。

向井秀徳(ZAZEN BOYS)

15年前、花村萬月さんから譲り受けたヤマハSR400をかっ飛ばして、
上野の特設劇場に『ゲルマニウムの夜』を観に行った。
終わって、虚無感と殺伐に支配され過ぎたオレは公園で暫くの間じっと、
ただジリジリとしていた。焦燥していた。

『タロウのバカ』を観た。
やはり未だオレは焦燥している。空虚に取り憑かれている。
そんな自分を自分で発見している。
だからオレは、今日、明日、そして明後日と対峙する。対決する。
キックスタートでエンジンを起動する。
走り出す。走り出さなければならない。

映画『タロウのバカ』は2019年9月6日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開!
監督・脚本・編集:大森立嗣
出演:YOSHI、菅田将暉、仲野太賀、奥野瑛太、植田紗々、豊田エリー、國村隼
配給:東京テアトル
©2019映画「タロウのバカ」製作委員会