越川道夫監督が新たに取り組む“誰でもない恋人たちの風景”シリーズの第一弾作品『愛の小さな歴史』が10月19日(土)より公開されることが決定し、併せて瀬戸かほと宇野祥平の場面写真が解禁された。

癒えない悲しみを抱え、人の間を漂うように生きてきたユリは、小さな古本屋にたどり着き、店主・トモさんの妻になる。トモさんは、亡くなった前の妻のことを毎日思い出す一方で、今はユリがいない生活は考えられない。同じ頃、トモの幼馴染で父を亡くしたリュウタは、遺品の中にとある詩集を発見する。ユリとリュウタはどうしようもなく惹かれ合い、求め合うが、それはユリがトモさんのもとを去ることを意味していた―。

主人公のユリを演じるのは、今最も期待されている女優、瀬戸かほ。映画、ファッション、広告、ミュージックビデオなどで唯一無二のアンニュイな存在感を放ち、SNS インフルエンサーとしても同世代から支持を集める瀬戸が、二人の男と情を交わすヒロイン役を体当たりで演じ、本作で初ヌードを披露。ユリの年上の夫・トモさん役には宇野祥平、ユリが恋に落ちる夫の幼馴染・リュウタ役には深水元基。個性派俳優2人が対照的な男を演じ、ヒロインの魅力を最大限に引き出している。その他、舞台の古本屋をはじめとする個性的な商店や公園が織りなす東京・武蔵野の風景、ギターとチェロを中心としたエモーショナルな音楽など見どころが満載の作品に仕上げた。

監督は、『アレノ』『海辺の生と死』『二十六夜待ち』と、男と女の不確かで濃密な情愛を描き続け、その一貫した美学でファンを魅了する越川道夫。ドイツの詩人・ゲーテが晩年、若い人妻マリアンヌと恋人関係になり、のちに傑作「西東詩集」の核をなすことになる愛の詩を共作したエピソードから着想を得て、新たな愛の物語を作り上げた。本作は、越川監督が、ある状況下に置かれた男女の濃密なひとときを切り取る“誰でもない恋人たちの風景”シリーズの第一弾。

瀬戸かほ(ユリ役)コメント

女優としてやっていけるのか悩んでいたときに、監督からこの作品をいただき挑戦したいと思いました。
果たして自分は応えられるのか、不安でいっぱいだったのですが、監督をはじめとするみなさまのおかげで、そのときの私のすべてを出すことができました。
撮り終えたあと、ユリからなかなか離れられなかったことを強く覚えています。
このままお芝居をやっていこうと思えたきっかけの、大切な作品です。

越川道夫(監督)コメント

ひとには皆、それぞれに「愛」をめぐる「歴史」があります。
僕にも、誰にでも。
それがささやかな映画にならないかと思っていました。
ひとは幸福でありたいと思い、幸福になろうとして行動するけれども、それがいつも正しいとは限らない。
愚かかもしれない。でも愚かであるからと言って、幸福でないとも限らない。
そんなことを繰り返しながら、ひとはそれぞれの愛の小さな歴史を紡いでいるのかもしれません
新人の瀬戸かほさんで映画を撮ることになり、深水元基さん、宇野祥平さんにも参加してもらい、
アンサンブルを作りながら、そんな映画を想像しました。
作りながら、この映画に登場する三人の様々な箇所に自分の「愛の歴史」を見出してまい、
古傷が疼くようなそんな思いもしました。
この小さな作品が、ご覧いただくみなさんそれぞれの「愛の歴史」を反射するような映画になったのならば
こんな嬉しいことはありません。

映画『愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景vol.1』は2019年10月19日(土)より新宿K's cinemaほか全国で順次公開!
撮影・編集・脚本・監督:越川道夫
出演:瀬戸かほ、宇野祥平、深水元基/山田キヌヲ、縄田かのん
配給:コピアポア・フィルム
©2019 キングレコード株式会社