『残された者-北の極地-』のジャパンプレミアが9月12日(木)に新宿バルト9で行われ、マッツ・ミケルセン、佐藤仁美が登壇した。

イベントでは、花束ゲストとして、結婚出来ないキャラとして大ブレークした“残された者”佐藤仁美が登壇し、テレビのロケで経験した北極圏の過酷さなどを語った。

6日に来日したというミケルセンは「日本と共通点を持ち合わせている。スタイルが、僕の思う日本の作品と近い」と本作の日本公開を喜んだ。来日してからは京都にも行ったようで「自転車を借りました。鞍馬寺をハイキングしたり、温泉に入ったりしていました」と日本滞在を満喫している様子。さらに「デンマークでは自転車で移動するのは当たり前」としつつも「9時間くらい自転車で移動したのは驚かれました」と明かし、会場からは笑いが起きた。

今回、過酷な状況下に置かれた男が主人公ということで、撮影も同じく過酷だったようで、「風が強い状況の中で孤独を感じる現場でした」と明かしつつ、作品については「美しいほどにシンプルな物語のつづられ方」と振り返った。

撮影では「常に事件が起きている感じ」と明かし、35日間の撮影予定も19日間になり、さらに天気にも振り回されていたという。しかし、その天候については「アイスランドでは、“5分待てば変わるので5分待とう”ということわざがある」とフレキシブルな撮影を心掛けたという。

ここで、佐藤が登場し、ロケでの話をすると、ミケルセンは興味津々の様子で「(スタッフも含めて)7人くらいだと全然暖かくはなりませんよね」と過酷さに同意し、さらに「ホッキョクグマには会いましたか?」などと質問を投げかけた。

また、マッツが「アイスランドはマイナス20度~10度くらいになることがありましたが、寒さよりも風が吹くと寒くなって・・・」と振り返ると、佐藤は「ちょっと風が吹くと、徒歩10分で行けるところに1時間くらいかかる」とコメント。ミケルセンは「寒すぎると食べることを忘れて、どんどん調子が悪くなる」と語った。

さらに、本作ミケルセン演じるオボァガードが出会う女性が登場するが、その登場についてミケルセンは「生き残ろうとすることと生きることはちょっと違う。同じルーティーンを繰り返している人は生き延び続けていますが、もう一人の人物が登場したことで生きようとします。それがこの作品のテーマだと思います」と語った。

最後にミケルセンは「人というのは一人で生きるのは無理なんだということがテーマになっている」と語った。

本作は、飛行機が墜落し北極で窮地に立たされた男を描くサバイバル映画。極寒の白い荒野にたった一人取り残された男。彼を囲むのは、寒さ、飢え、そして肉食獣。やがて、その孤独が終焉をむかえたとき、男は待つことをやめた。とどまることを捨てた。極限状態の中、自らの心の奥底に何を見るのか?今、明日の「生」に向けて決意の旅が始まる―。主演を務めるのはマッツ・ミケルセン。台詞で多く語らず自然の過酷さと生命の素晴らしさをキャリア史上最高の演技で魅せる。

【写真・文/編集部】

映画『残された者-北の極地-』は2019年11月8日(金)より新宿バルト9ほか全国で公開!
監督・脚本:ジョー・ペナ
出演:マッツ・ミケルセン、マリア・テルマ・サルマドッティ
配給:キノフィルムズ/木下グループ
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