『見えない目撃者』の公開二日目舞台挨拶が9月21日(土)に京都・Tジョイ京都で行われ、吉岡里帆、森淳一監督が登壇した。
今回、本作で主演を務めた吉岡里帆が、森淳一監督とともに、生まれ育った地元京都に凱旋。会場に集まった多くのファンから、主演女優として故郷に帰ってきた吉岡を「おかえりー!」という声とともに温かく迎えた。地元での舞台挨拶を行えるということに喜びや感謝を感じている様子の吉岡。
過激なシーンも多い映画の鑑賞直後ということもあり「大丈夫ですか?」と観客を気遣い、「地元という事もあり、今回、京都で舞台挨拶ができるという話があった時に、本当に嬉しくて、みなさまにお会いできるのを私がずっと一番待っていました」と笑顔で挨拶した吉岡は、「いろいろな地方キャンペーンがあった中で、一番(観客と)近い感じがします!」と会場の温かい雰囲気に感激している様子。
劇中ではほとんど笑顔も見せず、吉岡のハードな姿が詰まったチャレンジングな作品となった本作だが、自身にとっては「準備期間が2か月ほどあり、目の見えない方にもお話しを聞き、葛藤など様々なことをお聞きする中で、そういった方々の中に、ぶれない芯のようなものを感じました。本作には、『自分なんて』と思っている方へのメッセージも詰まっていると思います。人と人との関わりで人が強くなることであったり、社会的な弱者に見える人が誰よりもしなやかな強さを持っているのだということなど、スリラーでありながら、メッセージ性の強い映画になりました」と語る吉岡。
そんな吉岡の撮影現場での姿を森監督は「難しい役柄だったと思う。本当に頑張ってくれました。カメラが回っていないところでも、スタッフを気遣ってくれて、いろいろと苦しいこともあったと思うが、吉岡さんの人柄で一丸としてくれました」と感謝を述べた。吉岡も「この映画の発案があったのは4年前と聞きました。自分は4年前を振り返ると、本当に悩んでいる時期だったんです。自分は映画が完成する間近で、やっと参加できているんだな。だから、スタッフさんへのリスペクトは強く持っていました」と感慨深そうに語った。
女性警察官、視覚障害者の方、盲導犬トレーナーの方など、長時間の取材を行い、射撃訓練やアクショントレーニングも経験するなど、多くのことに挑戦した吉岡だが「エンターテインメントとして楽しんでもらいたいが、リアリティの追及もしっかり考えたいということは監督とも話していて、そこの絶妙なラインが難しかったです」と振り返った。その中でも盲導犬役の犬・パルとの共演を振り返り「パル自身は、実は劇中のキャラクターと全然違うんです。撮影が楽しくて仕方ないみたいで、ずっと尻尾振ってて本当に可愛かったんです!だけど、一緒に仕事をするんだという意識を持たなければいけなかったので、ペットみたいに可愛がらず、少し距離を置くなど、もどかしいこともありました」と明かした。
最後に吉岡は「ちょうど8年前、東映の撮影所で着物着てエキストラをしていました。台詞があったわけではないですが、その時から映画がずっと大好きで、いつかこんな作品に出てみたいという思いがやっと叶った作品です。大好きな地元の人達に映画を観てもらえて本当に感無量です。皆さんにとってこの作品がどういう存在であるかということは、皆さんの言葉を借りるしかないと思っています。ネタバレが出来ないので、皆さんの言葉で、お力を貸してください。これからも『見えない目撃者』をよろしくお願いします」とメッセージを送った。
交通事故によって自らの視力を失うとともに最愛の弟を亡くし、更には警察官の道までも絶たれた主人公の浜中なつめは、ある日、車の接触事故に遭遇、その事故現場で車の中から聞こえた女性の声から誘拐事件が起きていると考え、聴覚、触覚、嗅覚などで感じた手がかりを駆使し事件を追う。やがてそれは「女子高生連続殺人事件」に発展、猟奇的殺人犯は真相に近づこうとするなつめの身にも迫っていく―。主演の吉岡里帆は、悲しい過去を抱え葛藤しながらも、立ちはだかる障害や迫りくる危機に果敢に立ち向かう難役に挑み、俳優としての新境地を見せる。監督は、人間の内面を抉り取るようなサスペンスを得意とする森淳一。
映画『見えない目撃者』は全国で公開中!
監督:森淳一
出演:吉岡里帆、高杉真宙、大倉孝二、浅香航大、酒向芳、松大航也、國村隼、渡辺大知、栁俊太郎/松田美由紀、田口トモロヲ
配給:東映
©2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ ©MoonWatcher and N.E.W.