『惡の華』の公開記念舞台挨拶が9月28日(土)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨、井口昇監督、原作者の押見修造が登壇した。

約8年間の紆余曲折を経て実現したという今回の映画化。冒頭の挨拶で井口監督は「うれしくて感極まる思いです。胸がいっぱいです」とその気持ちを表現した。

劇中では中学2年生の春日を演じた伊藤は「中学生の役と聞いて大変な役になるだろう」とオファーへの第一印象を振り返りつつ、「やったことがない役だったので、大きなものになっていくと思った」と自身の役者人生において重要な役になるとも感じたという。実際に完成した映画を見た伊藤は「最高でした!どうなるかと思ってドキドキしながら見せていただいたんですけど、僕はやれることを全部やったつもりで送り出したので」と監督らによる編集についても感謝の気持ちを明かした。

共演した玉城は「彼女の魅力はコマから伝わってくる表情やセリフ」と自身の役への思いを明かし、「漫画を参考にしました」と明かした。そんな2人に対して「恐れ多くて話せなかった」と振り返った秋田は、撮影当時15歳で「お2人のおかげで(自身が演じた)佐伯が存在できた」と語ったが、伊藤は「年齢を感じさせない感じでいてくれたのでやりやすかった」と振り返り、玉城も「不安要素は全くなかったです」と称賛した。

そんなチームワークよく撮影された本作について、鑑賞した原作者の押見は「原作者としては本当にうれしい映画でした」と笑顔を見せ、さらに「全部分かってもらえたと思いました」と英伊賀の完成度の高さを称賛した。さらに押見は自身の原作の読者に対して「原作の魂の部分を継承していただいた。原作がお好きな人に見てもらいたいと思います。僕自身は中学生時代に見たかったし、見たら楽になったんじゃないかと思う、自分にとって大切な映画です」と大絶賛した。

最後に井口監督は「自分が居場所がなくて、孤独な青春時代を送っていたので、いま送っている人に救いになってくれる作品になったらいいなと思います」、伊藤は「この作品が上映されるまで8年かったんですが、8年ってすごいことだと思います。僕がこのお仕事を始めたころから動いていた作品の主人公として、挨拶をさせていただいているのが感慨深いです。誰かの背中を押してくれるような、救われる作品です」と本作をアピールした。

原作「惡の華」は、別冊少年マガジンに2009年から5年間に渡って連載され、テレビアニメや舞台化。今回原作者からの逆指名を受けた井口昇監督のもと、絶望の思春期を突き進む、超<変態>狂騒劇が幕を開ける。鬱屈とした青春と、行き場のない衝動を描き、思春期の暗黒面をえぐり出した本作で主役・春日高男を務めるのは伊藤健太郎。春日の中に自分と通ずる何かを見つけ、執拗につきまとう仲村役には玉城ティナ。春日が片思いをするクラスのマドンナ・佐伯奈々子役には秋田汐梨が数百人以上のオーディションを経て大抜擢された。そして、お互い文学が好きなことをきっかけに春日と交流を深める常磐文役に飯豊まりえが扮するなど、最旬キャストの共演も見逃せない。

【写真・文/編集部】

映画『惡の華』は全国で公開中!
監督:井口昇
原作:押見修造「惡の華」(講談社「別冊少年マガジン」所載)
出演:伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨/飯豊まりえ、北川美穂、佐久本宝、田中偉登、松本若菜、黒沢あすか、高橋和也、佐々木すみ江、坂井真紀、鶴見辰吾
配給:ファントム・フィルム
©押見修造/講談社 ©2019映画『惡の華』製作委員会