『楽園』の初日舞台挨拶が9月13日(金)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、 綾野剛、杉咲花、佐藤浩市、村上虹郎、劇伴作曲者を担当したユップ・ベヴィン、瀬々敬久監督が登壇した。
舞台挨拶の冒頭では、劇伴作曲者であるベヴィンがオランダから駆け付け、劇中曲「愛華」の生演奏を披露し、映画を見終わったばかりの観客はその音色に聞き入った。べヴィンは「遠い国に来て音楽を演奏することで、映画を通じて観客のみなさんと絆をもてる、それを考えると素晴らしい経験をさせてもらえてる」と感慨深げに語った。
自身の役柄を「陰と陽で分けたら陽のほう」と語る村上は「(綾野、杉咲、佐藤の)お三方が黒い服を着ているイメージで、明るくする担当なのかと思ってきたんですけど・・・今日ライブですか?」と、真赤な衣装に身を包まれた綾野に質問し、これに綾野は「おれも思ったのよ(笑)」と笑って返し、「映画を見終わった人たちが見たら、僕たちのことを心配になる部分もあると思ったの。だから全く別人だと(思ってほしくて)」と語った。
今回、初日を迎えて「ようやく託すことができる」とコメントした綾野は、本作について「何かを感じてほしいとか、何かを届けたいというよりも、託すことで何かが生まれるかが重要」と語り、「受け渡しができてよかったです」とコメント。
杉咲は「今ユップさんの曲を聞きながら感じたんですけど、撮影していた時は本当に苦しかったので、その日々が走馬灯のようによみがえってきて・・・。自分にとってはトラウマのような時間でも正直あったりして」と振り返り、「私はこの映画を見て救われたので、一人でも多くの方に見ていただけたら」とコメントした。
最後に綾野は「世の中にはたくさん大変なことがあります。みなさんの中で、希望に見える沸点を懸命に探している人がいたら抱きしめてください。僕もそれを教わりました」とメッセージを送った。
ベストセラー作家・吉田修一の最高傑作と評される「犯罪小説集」が名匠・瀬々敬久によって映画化。主演は綾野剛。確かな演技力で急成長をみせる杉咲花が、緊張感溢れる本編に華を添える。そして名優・佐藤浩市が、重厚なドラマを支えて作品世界を完成させた。ある地方都市で起きた少女失踪事件。家族と周辺住民に深い影を落とした出来事をきっかけに知り合った孤独な青年・豪士と、失踪した少女の親友だった紡。それぞれの不遇に共感しあう2人だが、事件から12年後、事態は急変する。一方、ほど近い集落で暮らす善次郎は穏やかな日々を過ごしていたが、ある行き違いから周辺住民といさかいとなり、孤立を深める。次第に正気は失われ、事件に発展する。2つの事件、3つの運命、その陰に隠される真実とは―。“楽園”を求め、戻ることができない道を進んだ者の運命とは―。
【写真・文/編集部】
映画『楽園』は2019年10月18日(金)より全国で公開!
監督・脚本:瀬々敬久
原作:吉田修一「犯罪小説集」(角川文庫刊)
出演:綾野剛/杉咲花、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣、柄本明、佐藤浩市
配給:KADOKAWA
© 2019「楽園」製作委員会