第32東京国際映画祭「Japan Now」部門「映像の魔術師 大林宣彦」上映作品『さびしんぼう』のQ&Aが11月3日(日)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、富田靖子、小林稔侍が登壇した。

『さびしんぼう』は、山中恒原作「なんだかへんて子」を、尾道を舞台に映画化。少年の淡い恋、さらに、彼の前に突然現われた少女時代の母親“さびしんぼう”との交流を描いたファンタジー。“尾道三部作”のひとつ。

最初に小林は「本日はみなさんとお会いできてとても恥ずかしい思いでございます(笑)本当はふんどしでここに立っているのがいいと思いますが。35年前の僕でした。失礼しました(笑)」とコメント。続けて富田は「スクリーンで『さびしんぼう』が上映されると聞いて、いても立ってももいられず今日は参りました。今だから話せることもあるかもしれないので何でも聞いてください」と笑顔で挨拶した。

大林作品に何度も出演している小林。大林監督の作品に出てどのような感覚かという問いに対し、小林は「この『さびしんぼう』で演じたのはとても無口なお父さんなんですけれども、(自身も)あまり喋れる方ではないのでキャスティングされたのかなと思っております(笑)監督は僕をよく観察し、僕にあてて(台本を)書いてくださったので、なんとか幼いながらも、演じるまでいきませんでしたが一生懸命やりました」と当時を振り返り語った。

今だから話せる撮影の裏側はあるかという質問に対して、富田は普段穏やかな監督が1度だけ大声をだしたことがあると明かした。その大声を出した理由というのが、撮影中に偶然通りかかった犬をスタッフがどかそうとした事だったという。その出来事で富田は、「何気に起こった事をそのままその瞬間を監督はフィルムにおさめたいのかな、なんて思いました」と笑顔でコメントした。

最後に富田が「『さびしんぼう』は撮影を入れて35年経っております。だから正直、みなさんの前に自分が来る事が良いのか悪いのか少し迷いました。みなさんが温かくこの作品を好きでいつづけて下さることをとても嬉しく思います。また女優として大林監督に会えるよう頑張りたいと思っています」とコメント。続いて、小林は「富田さんが35年前からほとんど変わらず、今日はセーラー服でいらっしゃるかなと思いましたが(笑)お若いお姿にとても幸せを感じます。みなさまもそうだと思います。ありがとうございました」と笑顔で締めくくった。

なお登壇予定だった大林宣彦監督は体調不良により欠席となった。

【写真・文/北村優雅】

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「第32回東京国際映画祭」は2019年10月28日(月)~11月5日(火)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場ほかで開催!
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