第32東京国際映画祭「Japan Now」部門「映像の魔術師 大林宣彦」上映作品『花筐/HANAGATAMI』のQ&Aが11月4日(月)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、常盤貴子が登壇した。
『野のなななのか』から大林監督の作品に参加している常盤。元々大林監督の大ファンだったといい、撮影現場での印象を聞かれると「私が思い描いていた大林映画の現場でした」とコメント。さらに、俳優としてではなく、1人の人として演技をしてほしいという考えから、大林組ではマネージャーを連れてきてはいけないというルールがあることを明かした。その分、スタッフとの距離も近かったようで、「なんでもスタッフに話ができる風通しの良い現場でした」と振り返った。
監督の意図を完全に理解していない状態で、どのように演じているのかという質問に対して常盤は、一般的には自分の中で計算して行くのだが、大林監督の映画に関してはそれが全く効かず、台本を読んでいる段階から自身の想像を絶するという。実際現場に行ってみても、想像とは異なる状況なため、「自分で考えたことが何も意味がないものになってしまうから、もちろん多少は用意しますが大林監督の作品は真っ白の状態で行くようにしています」とコメントした。
大林監督もまた役者たちの芝居を見ながら台本を書きかえているといい、常盤は「監督自身もどういう映画になるのかわからないらしいです。それは私たちがわかるわけないですね(笑)」と笑いながら語った。
最後に常盤は、監督がよく言っている“撮影の瞬間におこったハプニングは映画の神様がさしのべてくれているもので、それをNGとするか、ラッキーとするかは監督次第だ”という考えを明かし、締めくくった。
なお、本イベントに登壇予定だった大林宣彦監督は体調不良につき欠席となった。
【写真・文/北村優雅】
「第32回東京国際映画祭」は2019年10月28日(月)~11月5日(火)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場ほかで開催!
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