『男はつらいよ　お帰り 寅さん』のプレミア試写会が12月19日（木）に都内で行われ、舞台挨拶に倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、桜田ひより、夏木マリ、浅丘ルリ子、山田洋次監督が登壇した。

22年ぶりの新作を引っ提げて登壇した山田監督は、本シリーズが今年で1作目から50周年を迎えることで、本作について「50年かけて作った気がします」と挨拶。また、吉岡は「いつも撮影現場で、渥美（清）さんが見守っていてくれたからこそできあがった50作目だと思っています。感無量です」とコメントした。

1作目から50年間にわたって同役を演じてきた倍賞と前田だが、倍賞は「どれだけ長い年月が流れたのかな、という思いで（現場に）入ったんですけど、全然違和感なく、フッと夫婦に入れた」と明かした。今回、倍賞は一作目で前田演じる博から告白されるシーンを何十年かぶりに見直したといい、「ボロボロ涙が出ました。あなた素敵よ」と声をかけ、前田が照れ笑いを浮かべる場面もった。

本作でシリーズ初参加となったのは池脇と桜田。池脇は「小さい時に父親が大好きで、寅さんのライブラリーがあるんです。ビデオで夜、一緒に見ていたという思いでがある」と明かし、「家族みんなで、笑ってホロリとできて、そういう映画だと思おうので、どの世代にも受け入れていただける映画になっていると胸を張って言えます」と語った。

また、桜田も「映画を見て泣いて笑ってという感情がコロコロと変わるのを実感できたので、こういう感情になる映画は久々だったので、その作品に参加できることがうれしかったです。自分と同じ世代の方にも、この映画を通して、あそこがおもしろかったというのを共有してもらいたいと思います。あと、実際に柴又に足を運んでいただいて、家族や友達、恋人と一緒に帝釈天の参道を歩いて、楽しんでもらえたらいいなと思いました」とコメントした。

最後に山田監督は「渥美さんが亡くなって、寅さんがいったん終わりました。それから僕はいろんな作品を撮りましたけど、いつでもできあがった作品をどこかで渥美さんが見てくれているはずだと思っていました。あの人が勧める映画を見れば間違いないといつも思っていました。その渥美さんが僕の映画を見て、“よかったよ”と言ってくれることをいつも願っていました。今度の作品こそ、“おれも出ているけど、よくできたよ”と劇場のどこかで笑いながら言ってくれていたらいいなと願っています」とメッセージを送った。

『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』（1997）以来、22年ぶりの新作は、車寅次郎（渥美清）の甥・満男（吉岡秀隆）と満男がかつて思いを寄せていたイズミ（後藤久美子）のその後の物語。別々の人生を生きてきた二人を軸に、さくら（倍賞千恵子）や博（前田吟）、そしてくるまやを囲む人たちの今が描かれる。不透明な時代を生きていく私たちのために、昭和から現代に虹をかけるように、今、寅さんがスクリーンに蘇る―。

【写真・文／編集部】

映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』は2019年12月27日（金）より全国で公開！
原作・監督：山田洋次
出演：渥美清／倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、夏木マリ、浅丘ルリ子、美保純、佐藤蛾次郎、桜田ひより、北山雅康、カンニング竹山、濱田マリ、出川哲朗、松野太紀、林家たま平、立川志らく、小林稔侍、笹野高史、橋爪功
配給：松竹
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