『パラサイト 半地下の家族』の記者会見が12月26日(木)に都内で行われ、ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホが登壇した。

これまでに第16回東京国際映画祭に出品された『殺人の追憶』(2003)、『グエムル ―漢江の怪物―』(2006)、『スノーピアサー』(2013)でタッグを組んできたポン・ジュノ監督とソン・ガンホ。今回、4度目のタッグを組んだ『パラサイト 半地下の家族』で、『グエムル ―漢江の怪物―』以来13年ぶりにそろっての来日となった。

本作は、第72回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞しているほか、世界各国の映画祭で高評価を得ており、すでに公開されている国や地域では韓国映画の歴代興行収入で1位を記録するなど世界中で大ヒットしている。

この大ヒットにポン・ジュノ監督は「全く予想していませんでした。今回も素敵な俳優さんと、これまで通り淡々と撮ったつもりでした」とコメントしたが、同時にそのヒットの要因について「人間の感情は万国共通の言語だと思う」と共感を得たことが理由だと考えを明かした。また「俳優の魅力によるところが大きい」とコメントするポン・ジュノ監督だが、ソン・ガンホは「ポン・ジュノ監督だけが持っている、作家としての野心が実を結んだと思います」と監督の手腕による結果だと語った。

本作には、全員失業中の“貧しい家族”と、“裕福な家族”を中心に描かれているが、その部分だけをはじめに聞いたソン・ガンホは「当然ながら裕福な家族だと思っていました(笑)そこそこの年齢ですし、品位も高まっているので・・・。まさか半地下に連れていかれるとは思いませんでした」と振り返り、会場は笑いに包まれた。

まさにソン・ガンホとのタッグが実を結んだともいえる本作では、ソン・ガンホと長男役のチェ・ウシクには「事前に話をしてからシナリオを書き始めました」と明かすポン・ジュノ監督。その理由について「話し方がわかってからシナリオを書くと、人物を描写するのに役立つ」と明かした。

また、冗談を交えつつも、常にポン・ジュノ監督への敬意を感じさせるコメントを寄せるソン・ガンホだが、監督の作品について「自分が生きてきた世界を鋭い視線で見つめています」と評し、本作についても「芸術家としての一つの到達点で、成熟した地点に達していると思います」と称賛した。さらに「実際に演技を見せてくれるのでやりやすいです。ユーモアにあふれていて、おそらく多くの俳優たちが一緒に映画を撮りたいと考えていると思います」とコメントした。

最後にソン・ガンホは「日本の観客のみなさんが、どう感じてくださるかドキドキしています。楽しく盛り上がって、そして深く楽しんでいただきたいと思います」、ポン・ジュノ監督は「多くの国での公開を経て、ついに日本で公開され、とてもエキサイティングしていますし、期待しています。タイトル通り、“不滅の寄生虫”のように見ていただいたみなさんの胸に長く寄生するような映画になってくれたらと思います」と本作をアピールした。

全員失業中、“半地下”住宅で暮らす貧しい一家の長男が、IT企業を経営する超裕福な一家の家庭教師になったことから、次第に想像を遥かに超える悲喜劇へと展開していく本作。相反する2つの家族を軸に、いま世界が直面している貧富格差を痛烈に批判しつつ、コミカルさやサスペンス感など交え、圧倒的エンターテインメント性を持たせた物語展開で描き切った。主演を務めるのは、ポン・ジュノ監督とは『スノーピアサー』『グエムル -漢江の怪物-』『殺人の追憶』に続く4度目のタッグとなるソン・ガンホ。共演には『最後まで行く』『ソニはご機嫌ななめ』イ・ソンギュン、『後宮の秘密』チョ・ヨジョン、「オクジャ/okja」『新感染 ファイナル・エクスプレス』のチェ・ウシクら実力派の面々が脇を固める。

【写真・文/編集部】

映画『パラサイト 半地下の家族』は2019年12月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田にて先行公開、2020年1月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督・共同脚本:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
配給:ビターズ・エンド
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