カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いたフランス映画『レ・ミゼラブル』のラジ・リ監督が2月中旬に来日することが決定した。
権力者によって抑圧されている弱者と社会で居場所を失った人々―。まさに、“ミゼラブル(悲惨)”な世界の現状を反映した本作は、ヴィクトル・ユゴーの傑作「レ・ミゼラブル」で知られ、現在は犯罪多発地区の一部となっているパリ郊外のモンフェルメイユを舞台に、現代が抱える闇をリアルに描く。監督・脚本を務めたのは、モンフェルメイユで生まれ育ち、現在もその地に暮らす新鋭ラジ・リ。本作が初長編監督作品ながら、自身がこの街で体験してきた出来事を圧倒的な緊迫感とスタイリッシュな映像で見事に描き切る。
今回、本作の監督・脚本を務めるラジ・リ監督が2月中旬に来日することが決定した。滞在中は、監督自身が登壇するプレミアム試写会の実施が予定されている。本作が長編監督デビューとなるラジ・リ監督は、映画の舞台であるモンフェルメイユで生まれ育ち、現在もその地に暮らす注目の新鋭。長年Webドキュメンタリーを手掛け、2006年には世界的ストリート・アーティストのJRと共同でプロジェクトを発表するなど活躍の幅は広く、本作が初長編監督作品ながら自身がこの街で体験してきた出来事を、圧倒的な緊迫感とスタイリッシュな映像で見事に描き切っている。
本作は、監督自身が2017年に製作し、セザール賞にもノミネートされた短篇映画にインスパイアされ手掛けたものだ。本作を絶賛しているスパイク・リー監督もその才能を認め、アメリカにおけるプロモーションのサポートを買って出るほど。
本作は、第92回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされているが、例年多くのフランス映画の名作がアカデミー賞の“フランス代表”作品としてアカデミー賞の門を叩いてきたが、アフリカ系フランス人監督による監督作品がこのフランス代表に選出されたのはラジ・リ監督が初。初長編監督作にして掴んだ大舞台となる同賞授賞式(日本時間2月10日(月)朝より)直後の来日となるだけに、その発言にも注目が集まる。
ラジ・リ監督は、「この映画で描かれているすべてが実際に起きたことに基づいています。ワールドカップ勝利の歓喜はもちろん、地域に新しい警官が来た時のこと、ドローン、盗まれたライオンまですべてです。この地域の素晴らしい多様性を見せたかったんです。私は今もここに住んでいます。これが私の生活であり、ここで撮影することが大好きなんです」と映画やモンフェルメイユという街への想いを語っている。
映画『レ・ミゼラブル』は2020年2月28日(金)より新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開!
監督・脚本:ラジ・リ
出演:ダミアン・ボナール、アレクシス・マネンティ、ジェブリル・ゾンガ、ジャンヌ・バリバール
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
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