『影裏』の完成披露試写会が1月30日(木)に新宿バルト9で行われ、綾野剛、松田龍平、大友啓史監督が登壇した。

大友監督自身が生まれ育ったという岩手・盛岡を舞台に物語が展開する本作。今回のオファーについて「素直にうれしかった」と大友監督と仕事ができることを喜んだという綾野。この日も終始仲の良い雰囲気だった松田についても「しっかりと共演するのは初めてだったので楽しみがあふれていた」と振り返った。そんな二人へのオファーについて大友監督は「二人と仕事をしたかった。二人の顔が浮かんできてそれ以外考えられなくなった。二人じゃなかったらやってないかもしれない」と大絶賛し、会場を沸かせた。

撮影は2018年の夏に約1か月間、盛岡で行われたという。そのことが「最大の役作り」と振り返る綾野は「集団で紡いでいくことのほうが大切」とチームワークがよかったことを明かした。そんな盛岡での撮影中は「ずっと冷麺を食べていました」と明かす綾野。今回の舞台挨拶の前日には盛岡で舞台挨拶が行われ、3人が登壇したが、その際も冷麺を食べたようで、松田は「おいしかった」と満足げに振り返った。

舞台挨拶では、タイトルにちなんで“実際に裏側が違ったことや、やってみたら違ったことは?”という質問が投げかけられ、これには悩む登壇者。そんな中で松田は「スーパーでおいしそうなイチゴを買って、家でお皿に盛ったら、裏側が小さいイチゴがいっぱい入っててちょっとショックを受けて・・・」と語り、さらに「小さいイチゴのほうがおいしかった」と明かすと、会場は笑いに包まれ、綾野も「チャーミングなかわいらしい人なんで」と笑顔を見せた。

赴任した慣れない土地・岩手盛岡での生活に戸惑う今野(綾野剛)。彼を孤独から救ってくれた唯一の友人・日浅(松田龍平)が、突然姿を消した。足跡を辿る今野の前に、次々と明るみになる事実。それは、彼の知らない日浅のもう一つの影の顔、裏の顔を浮かび上がらせる。共に日々をわかちあったはずの日浅の〝本当“はどこにあるのか―。原作は、2017年文學界新人賞を受賞、同年第157回芥川賞を受賞した沼田真佑「影裏」(文藝春秋)。監督を務めるのは大友啓史。

【写真・文/編集部】

映画『影裏』は2020年2月14日(金)より全国で公開!
監督:大友啓史
原作:沼田真佑「影裏」(文藝春秋)
出演:綾野剛、筒井真理子、中村倫也、平埜生成/國村隼/永島暎子、安田顕、松田龍平
©2020「影裏」製作委員会