実話を元に描かれた霧の街の七つの記憶の物語『モルエラニの霧の中』が新型コロナウイルスの感染予防対策により、公開が延期されることが決定した。
本作は、3月21日(土)より岩波ホールでの上映を予定していたが、「新型コロナウイルスの感染予防対策により、関係各所協議のうえ延期することが決定」した。新たな公開日は来年2月6日(土)となる。
延期後の公開日について、配給のティー・アーティストは「岩波ホールが今年の9月より劇場内の機器の更新・修繕(工事期間:9月26日~2021年1月末日)を実施するため、本作は再OPENの第1作目として、新たに来年(2021年)2月6日より公開スタートとなります。」と発表している。
また、上映が予定されている岩波ホールは、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため2月29日(土)より一時休館中で、3月20日(金・祝)まで休館が決定(3月16日時点)している。
本作は実話を元に、その場所で、時にはエピソードに登場する本人も出演しながら撮影された<街の自画像>のような映画。移り変わる時代の中、地方都市に生きる人々の姿が、優しく慈しむような眼差しで紡がれていく。「ここに生きる人々の息づかいを映画に残したい。そして、この街を知ってほしい」との監督の強い願いに、街の人たちが結集して映画が製作された。タイトルの“モルエラニ”とは、北海道の先住民族であるアイヌの言葉。[小さな坂道をおりた所]という意味で、「室蘭」の語源のひとつと言われる。
監督・脚本・音楽を務めたのは、2011年に東京から北海道室蘭市へ移住した映画作家、坪川拓史。街で出会った人々から聞いたエピソードを元に七話連作形式”の脚本を執筆。2014年、市民有志が映画製作応援団を結成し、資金を集め始め、同年、クランクイン。度重なる撮影中断を乗り越え、2018年10月に全編の撮影が終了した。映画製作には街の人々(のべ1000人)が協力し、5年の年月を経て純度100%の室蘭発の映画として完成を果たした。
メインキャストには、2018年に急逝した大杉漣、香川京子、小松政夫、大塚寧々、水橋研二、菜葉菜、中島広稀、草野康太、久保田紗友、そして独演劇が国内外で高い評価を得る坂本長利など、演技派で多彩な俳優陣が揃った。そのほか、キャストの半数がオーディションで選ばれたり、街で監督にスカウトされた演技経験の全く無い人々も出演している。
映画『モルエラニの霧の中』は2021年2月6日(土)より岩波ホールほか全国で順次公開!
監督・脚本・音楽:坪川拓史
出演:大杉漣、大塚寧々、水橋研二、菜葉菜、菅田俊、草野康太、久保田紗友、小松政夫、坂本長利、香川京子
©室蘭映画製作応援団2020