『劇場』の完成記念イベントが3月25日(水)に都内で行われ、山﨑賢人、松岡茉優、寛一郎、行定勲監督、原作者の又吉直樹が登壇した。
新型コロナウィルスの感染拡大の状況を鑑み、報道陣のみを入れた状態で行われた今回のイベント。約800席の劇場の中央に座った山﨑は「本当はお客さんに見ていただきたかったんですけど、このようなご時世で。初めての経験の完成披露になっていますが、映画の魅力を伝えられるようにがんばりたいと思います」と特殊な条件下でのイベントに戸惑いを見せる場面もあった。普段は逆の位置にいる報道陣に「ここからの景色を見せてあげたい」と驚きを隠せない様子の松岡。又吉は「こういう演劇があったらおもしろそうですね」とコメントした。
本作の永田役を「絶対にやりたいと思った」と語る山﨑だが、特に松岡演じる沙希との自転車の二人乗りシーンについて「いいシーンになっている」と自信を見せ、このシーンについては原作者の又吉も「感動しました」とコメント。松岡は「4ページくらい永田くんのセリフだったんです。しかも長回し。噛まないんです。(2回)テイク重ねたのは監督のお気持ちで、NGじゃなかった」と明かし、一度も噛むことなくやり遂げたことを明かしたが、一方で寛一郎は「俺とのシーンは噛み噛みだったじゃん(笑)」と暴露され会場を沸かせた。
また、「言いたいセリフがある。“分かるな~”と思って(台本を)読んでました」という松岡は、山﨑演じる永田とのシーンで「パワーバランスが変わる」シーンを挙げ、「いたたまれなくて。あのシーンはきっとみなさん経験をしたことがある」と胸が痛くなったことを明かした。
イベントでは、行定監督と親交があるポン・ジュノ監督からのメッセージが読み上げられ、その中で「二人の俳優の演技が素晴らしい」と山﨑と松岡の演技も絶賛。これに山﨑は「うれしいですね!」と笑顔を見せた。また、行定監督は『パラサイト 半地下の家族』が第92回アカデミー賞で作品賞ほかを受賞した後にポン・ジュノ監督が来日した際に会ったことを明かし、「あの人は別格。別格の人が、ある種特別な二人をくみ取ってくれたのはうれしい」と語った。
最後に山﨑は「見終わった後に大切な人を絶対に思い浮かべる映画です。生きていく中でうまくいかないことはあると思うんですけど、自分が信じてやってきた中でうまくいかなかったことは、最後にはいい方向に向かっていくんじゃないかと思える作品です」と本作をアピールした。
作家・又吉直樹が “恋愛がわからないからこそ、書きたかった”と語る「劇場」は、演劇の世界で夢を追う主人公・永田と、彼に恋をして必死に支えようとする沙希の、生涯忘れることができない恋を描いた恋愛小説を映画化した本作。主演を務めるのは、興行収入57億円を突破した『キングダム』の大ヒットの記憶も新しい俳優・山﨑賢人。演劇に身も心も捧げながら、実生活では社会や周囲の人々とうまく協調できない不器用な青年・永田を、人生初のひげを生やした姿で、これまで見せたことのない表情で演じる。ヒロインを務めるのは、『万引き家族』(18)で世界に認められた若き実力派女優・松岡茉優。葛藤や迷いを抱えながらも、純粋に彼を愛そうとする健気な沙希を、儚くも愛しく演じている。監督を務めるのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)、『ナラタージュ』(17)など時代ごとに新たな恋愛映画のマスターピースを贈り続けてきた行定勲監督。
【写真・文/編集部】
映画『劇場』は2020年4月17日(金)より全国で公開!
監督:行定勲
原作:又吉直樹「劇場」(新潮社)
出演:山﨑賢人、松岡茉優、寛一郎、伊藤沙莉、上川周作、大友律/井口理(King Gnu)、三浦誠己、浅香航大
配給:松竹、アニプレックス
©2020「劇場」製作委員会