一筋縄ではいかない思春期の男女が織りなす青春ラブストーリー『殺さない彼と死なない彼女』のBlu-rayに収録されるオーディオコメンタリーの収録レポートが到着した。

同名原作は、3つの物語からなる連作四コマ漫画。本作は殺さない彼・小坂れいと死なない彼女・鹿野ななの物語を中心に据えた青春群像劇。登場するキャラクターは一見「変わり者」のようで、実は誰の心にも潜んでいる衝動の代弁者でもある。自分の想いにまっすぐで、不器用で、ありのままで生きようともがいている。主人公・小坂れい役を間宮祥太朗、もう一人の主人公・鹿野なな役を桜井日奈子が演じる。さらに、恒松祐里、堀田真由、ゆうたろう、箭内夢菜、金子大地、中尾暢樹ら注目の瑞々しい魅力溢れる若手俳優たち競演する。

本日4月24日(金)よりデジタル配信が開始される本作だが、今回5月8日(金)に発売されるBlu-rayに特典として収録されるオーディオコメンタリーの収録が到着した。

録音ブースに入るや、「これって、どのくらい使われるんですか?」と楽しそうな桜井。「全部使われるよ」と答える間宮に、桜井が「おもしろい試みですね」と返すと、間宮からは「いやいや、別に斬新な試みじゃない(笑)」、小林監督からは「毎回すごいよね、天然ぶりが(笑)」と早くもツッコミが飛び交うなど、和やかに始まった収録。

物語序盤、クラスメイトの女子が小坂(間宮)にLINEのIDを聞くシーンが流れると、「今、人に連絡先を聞きやすくなりすぎじゃないですか?『で、で、電話番号・・・』みたいなのがなくなりましたよね」と間宮。すると桜井は、「人に連絡先を聞く時は、写真を一緒に撮って、『写真を送りたいから連絡先を教えて』と言えばいいんだよって教えてもらいました」とまさかのエピソードを披露。すぐさま間宮は「誰だよ、それ教えたの。出てこいよ!(笑)」と、冗談交じりに声を荒げる場面も。

一方、片思いの八千代(ゆうたろう)に「好き」と伝え続ける撫子(箭内)が登場すると、桜井が「(こんなに『好き』と言われ続けたら)やっぱり好きになりますよね?」と、男性陣を直撃。小林監督は「かわいいよね」と頷くも、間宮は「この年齢の時に、あんなに『好き』なんて言われたら、“俺は別に好きじゃねえし”って対応しちゃいがちかも(笑)」と、素直になれなかった学生時代を顧みた。

さらにトークは、学生時代のデートエピソードに発展。小林監督は「ちょっと大人の映画を観に行ったら、その結論が納得いかなくて、ケンカになったことがある」と苦い思い出を告白。間宮は「映画以外、学生時代に何したらいいかわかんなかった」と映画デートを懐かしみ、「公開中のラインナップで、観たいものを観るスタンス。これを観たら良い雰囲気になれるかなっていうのは特になかった(笑)」と振り返った。

続けて桜井から映画にハマったきっかけを聞かれた間宮は、“映画漬け”の日々に至るまでの意外な経緯を解説。かたや桜井は“部活漬け”だった当時を思い起こすなど、まるで違う青春時代をそれぞれ懐古した。映画の終盤には、自身が出演している作品を友人と観ている際、絶対に陥りたくないシチュエーションについて明かすなど、貴重なトークを繰り広げた。

ほかにも、図書室で撫子が読んでいる本に隠された意味や、金子大地演じたイケメンくんの裏設定についての言及、さらには原作者の世紀末、主題歌担当の奥華子のカメオ出演シーンが明かされるなど、もりだくさんの内容が詰め込まれたオーディオコメンタリー。号泣必至の本編とともに、じっくりと堪能したい。

間宮祥太朗×桜井日奈子×小林啓一監督
オーディオコメンタリー収録後インタビュー

――コメンタリー収録を終えた感想は?
桜井 撮影がなかったので、凄く力を抜いて喋れました。やっぱりカメラがあると、自然に作っちゃうところがあるので(笑)
小林監督 今までにない話がたくさんできたよね。2人のプライベートを知ることができたのは楽しかったです。間宮くんが、学生時代に映画デートをしていた話とか。
間宮 俺も、監督が映画を観て彼女とケンカしたっていうのは初めて聞きました(笑)

――改めて作品をご覧になっていかがでしたか?
桜井 小林監督の演出や、美術、すべてが細かいなと思いました。広い映画館では拾い切れなかったところも、近くの画面で観ると「あぁ、そうだったんだ」と気づけたりもして。より面白みが増す感じがしましたね。
小林監督 お芝居の小さな仕草も、はっきり見えますよね。気になるところがあれば、意識して何回も観られますし。

――劇場での復活上映や、SNSでの高評価など、反響がすごいですね。
間宮 実際、友達からも評判がよくて。自分より年上の男性だったり、幅広い人たちが観てくれているのが、すごく嬉しいです。
桜井 私は今まで演じてきた役とテイストが違うので、「すごく驚いた」「鹿野役がすごくハマってたね」という声をたくさんいただきました。映画自体を「よかった」と言ってくれる友達もいて、嬉しいという言葉に尽きますね。

――小林監督は、この反響を予想されていましたか?
小林監督 もちろん、作っている時は“絶対に良い作品にしよう”と思ってやっているけど、ここまで反響があるとは、正直予想していなかったですね(笑)。

――作品のどんなところが、観る人に響いたと思いますか?
小林監督 単純にお涙ちょうだい映画ではなくて、コンセプトの筋が通っている。劇中の「未来の話をしよう」というセリフにもあるように、“繋いでいく想い”みたいなものが、観客にちゃんと伝わっているんじゃないかなと思います。
間宮 何かひとつを挙げるのは、難しいですよね。いろんな要素が重ならないと、反響を得ることはできないんじゃないかと思っていて。でも、人との関係が希薄になってきている今、この作品が刺さっているとしたら、「やっぱり、みんな求めてるんじゃん!」と思います。「SNSのフォロワー数以上に、“一対一の深い絆”を本質的には求めてるんじゃん!」って(笑)。
桜井 本当にそうですね。あとは一連で撮っているシーンが多いので、光の加減とか、みなさんが日常で見ているような景色と重なる部分があったのかなと。キャラクターはみんな個性が強いけど、それぞれが“他人にとってはどうでもいいと思える悩み”で葛藤していることで、親近感が湧いたり、共感できる部分があるんじゃないかと思います。

――たしかに、長回しのシーンは多いですよね。
間宮 監督は、必ず長回しするって決めているんですか?
小林監督 そんなことはないけど、今回は狙いがあって。漫画原作なので、日常的には喋らないセリフを話すんですよ。でも、実写映画にはある程度リアリティがないとダメだと思っているので、セリフ以外のところでリアリティを出さなくてはいけない。ワンカットで撮影すると、間合いや呼吸がリアルになって、言葉が立体的になるんです。ただ、賭けでもあるんですよね。おふたりは本当に自分の言葉としてセリフが出てくるので、違和感がなかったんだと思います。
間宮 なるほど。撮影の時に、テンポを気にしなくて良いのは大きかったです。このセリフだけを撮るということではなくて、一連の会話の流れで撮る。しかも、監督は「本当にこれを言いたい気持ちになるまで、待ってもらっていいです」って。無理してセリフを言うというストレスがなかったので、ありがたかったですね。
桜井 私もありがたかったです。カット割りが多くて、「今から顔に寄る」っていうのがわかったりすると、変に気合いが入っちゃうというか(笑)。一連で撮っていると、カメラの存在を忘れるんですよ。2人だけの空間としてお芝居できるので、すごくやりやすかったです。
間宮 とにかく、贅沢でしたよね。長回しが何度もできるくらいスケジュールに余裕があったこともそうですし、自分たちの思った“間”が一部だけ摘ままれて映像になるんじゃなくて、流れている空気をそのまま映してもらえた。すべてをひっくるめて、すごく贅沢な作品になったと思っています。

作品の魅力を間宮、桜井、小林監督と共に楽しめるオーディオコメンタリーはBlu-rayの特典として収録される。

Blu-ray&DVD コレクターズ・エディション

Blu-ray 通常版

映画『殺さない彼と死なない彼女』ブルーレイ&DVDは2020年5月8日(金)発売!
■Blu-ray&DVD コレクターズ・エディション 7,200円(税抜)
■Blu-ray 通常版 4,700円(税抜)
■DVD 通常版 3,500円(税抜)
※同日よりDVDレンタル開始
※4月24日(金)よりデジタル先行配信開始
発売元:ポニーキャニオン/KADOKAWA
販売元:ポニーキャニオン
©2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会