欧州連合(EU)加盟国が各国の話題作を今年はオンラインで楽しめる「EUフィルムデーズ2020オンライン」が6月12日(金)~25日(木)に開催されることが決定した。
「映画で旅するヨーロッパ」をテーマに、日本初公開作品や見逃してしまった近作など、EU加盟国の映画を一挙に紹介する映画祭「EUフィルムデーズ」。今年は、新型コロナウィルスの感染拡大の防止と観客の安全を考慮する観点から、東京、京都、広島での開催が残念ながら中止されたが、「EUフィルムデーズ2020 オンライン」と題して、青山シアターにてオンライン映画祭として特別開催されることが決定した。
「EUフィルムデーズ2020オンライン」では、EU加盟国より20か国が参加、7作品の日本未公開作品や過去のEUフィルムデーズで好評だった作品など全21プログラムが配信される。
日本未公開作品には、本国ラトビア最大の映画祭で最優秀作品賞を受賞し、海外の数々の映画祭で話題となり、ヨーロッパはもちろん南米各国で上映された『ビッレ』がラインナップ。ソ連占領時代に発禁処分を受け、幾度となくノーベル文学賞候補となった作家ベルシェヴィツァの自伝的小説の映画化で、1930年代のソ連とドイツに翻弄されるラトビアで過ごした少女時代を描く。
その他ドイツ作品として、第91回アカデミー賞にノミネートされた『父から息子へ~戦火の国より~』を上映。ドイツ在住シリア人監督が、アルカイダ組織の一員である父親とその息子たちに密着。戦争への眼差しとシリアの民主化を求めて奮闘する若者たちに迫った話題作。
また、過去のEUフィルムデーズで上映され好評だった『リトル・マン』(チェコ)や『アルデンヌ』(ベルギー)や、劇場公開された話題作『パパは奮闘中』(ベルギー)、『バルバラ セーヌの黒いバラ』(フランス)など、この機会だからこそ観ておきたい充実のラインナップとなっている。
視聴方法は、青山シアターにて会員登録(無料)した後、作品単品での購入視聴のほか、映画祭がセレクトした作品パックなどが用意される。さらにカンヌ・クラシック2012のクロージングを飾ったハンガリーの『ファイナル・カット』は無料配信が決定。男女の恋や別れという普遍的な物語を、有名な映画作品450本から選ばれたカットの絶妙な編集によって語る、映画愛に溢れる作品。詳細は、青山シアターにて近日公開。
「EUフィルムデーズ2020オンライン」開催概要
期間:2020年6月12日(金)~25日(木)
配信: 青山シアター
視聴料金:
単品(全作品 ※ハンガリーを除く)300円(税込)
お得なプログラムパック(予定)各500円(税込)
A.ヨーロッパの逞しくしなやかな女性たち(3作品/ギリシャ、スロヴェニア、スペイン)
B.20世紀に輝く人物ーその真実と嘘(3作品/オーストリア、ラトビア、ポルトガル)
C.家族―悲喜こもごもの物語(3作品/ベルギー(フランス語)、フィンランド、キプロス)
D.ミステリアスすぎる個性派たち(4作品/スウェーデン、イタリア、ベルギー(オランダ語)、ブルガリア)
E.覚醒するドキュメンタリー(3作品/オランダ、ドイツ、クロアチア)
F.期間限定パック(3作品/フランス、ポーランド、チェコ)
※購入・視聴可能期間は、青山シアター「EUフィルムデーズ2020オンライン」サイトにて近日発表。
EUフィルムデーズ2020公式サイト
上映作品ラインナップ
A.ヨーロッパの逞しくしなやかな女性たち(3作品)
ギリシャ【日本初公開】
『メルテムー夏の嵐』(監督:バジル・ドガニス/2019年)
スロヴェニア【日本初公開】
『ルーザーとしての私の最後の年』(監督:ウルシャ・メナルト/2018年)
スペイン
『フリア・イスト』(監督:エレナ・マルティン/2017年)
B.20世紀に輝く人物ーその真実と嘘(3作品)
オーストリア【日本初公開】
『ヨハンナ・ドーナル 女性大臣・フェミニスト』(監督:ザビーネ・デルフリンガー/2019年)
ラトビア【日本初公開】
『ビッレ』(監督:イナーラ・コルマネ/2018年)
ポルトガル
『ジョゼとピラール』(監督:ミゲル・ゴンサルヴェス・メンデス/2010年)
C.家族―悲喜こもごもの物語(3作品)
ベルギー[フランス語圏国際交流振興庁提供]
『パパは奮闘中』(監督:ギヨーム・セネズ/2018年)
フィンランド
『頑固じいさんとしあわせな時間』(監督:ティーナ・リュミ/2018年)
キプロス【日本初公開】
『スマグリング・ヘンドリックス』(監督:マリオ・ピペリディス/2018年)
D. ミステリアスすぎる個性派たち(4作品)
スウェーデン
『ANIARA アニアーラ』(監督:ペラ・コーゲルマン、ヒューゴ・リリャ/2018年)
イタリア【日本初公開】
『小さな灯り』(監督:ファビオ・バドラート、ジョンニ・コスタンティーノ/2018年)
ベルギー[アーツフランダース・ジャパン提供]【EU Filmdays 2016上映作品】
『アルデンヌ』(監督:ロビン・プロント/2015年)
ブルガリア【EU Filmdays 2018上映作品】
『猿』(監督:ディミタル・コツェフ=ショショ/2016年)
E. 覚醒するドキュメンタリー(3作品)
オランダ【日本初公開】
『ケースのためにできること』(監督:モニーク・ノルテ/2014年)
ドイツ
『父から息子へ~戦火の国より~』(監督:タラル・デルキ/2017年)
クロアチア
『ヴァトレニ~クロアチアの炎~』(監督:エドソン・ラミレス/2018年)
F. 期間限定パック(3作品)
フランス
『バルバラ セーヌの黒いバラ』(監督:マチュー・アマルリック/2017年)
ポーランド
『メモリーズ・オブ・サマー』(監督:アダム・グジンスキ/2016年)
チェコ【EU Filmdays 2017上映作品】
『リトル・マン』(監督:ラデク・ベラン/2015年)
<単品でのみ楽しめる作品>冒険ファンタジーアニメーション
アイルランド【EU Filmdays 2011上映作品】
『ブレンダンとケルズの秘密』(監督:トム・ムーア/2009年)
すべての映画への愛を込めて―無料上映!
ハンガリー【EU Filmdays 2014上映作品】
『ファイナル・カット』(監督:パールフィ・ジョルジュ/2012年)