『オレンジと太陽』
©Sixteen Midlands (Oranges) Limited/See-Saw (Oranges) Pty Ltd/Screen Australia/Screen NSW/South Australian Film Corporation 2010


2月下旬より休館していた東京・神保町の岩波ホールが6月13日(土)より営業を再開、併せて過去のヒット作を10週間にわたって連続上映する「岩波ホールセレクション」を開催することが決定した。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、『巡礼の約束』を2月下旬に上映を中止してから休館を続けていた岩波ホール(東京・神保町)。今回、6月13日(土)から営業を再開し、過去のヒット作を10週間にわたって連続上映する「岩波ホールセレクション」を開催する。

第一弾は配給会社ムヴィオラの2作品を上映。『オレンジと太陽』(2010)は、名匠ケン・ローチを父に持つジム・ローチのデビュー作で、名女優エミリー・ワトソンと『ロード・オブ・ザ・リング』のヒューゴ・ウィーヴィング、デイヴィッド・ウェナムが共演。英国政府が、19世紀から1970年まで、施設の子供たちを勝手に海外に送っていた“児童移民”の事実を暴いた実在の女性を描いた衝撃的な感動作。

『パプーシャの黒い瞳』(2013)は、圧倒的なモノクロ映像で第二次世界大戦下のポーランドのジプシーの世界を描いたポーランドの名匠クシシュトフ・クラウゼの遺作。ジプシー女性として初めて「詩人」と呼ばれた実在の女性パプーシャが主人公。

なお、岩波ホールでは当面の間、定員220席のところ60席を満席とし、感染防止対策を十分に行い、安心して鑑賞できるようよう営業を行っていく。2月中旬に上映中止となった『巡礼の約束』は来年3月13日(土)~4月2日(金)にアンコール上映。「岩波ホールセレクション」の今後の上映作品は順次発表予定となっている。

上映ラインナップ

『オレンジと太陽』(2010/イギリス、オーストラリア)

上映期間:6月13日(土)~19二位(金)
監督:ジム・ローチ
出演:エミリー・ワトソン、ヒューゴ・ウィーヴィング、デイヴィッド・ウェナム

ノッティンガムでソーシャルワーカーとして働く女性が、19世紀から1970年まで英国が行っていた“児童移民”政
策の事実を暴いた。政府が施設の子供たちを勝手に海外に送っていたのだ。“オレンジと太陽”を約束されながら、
実際に子供たちを待っていたのは、過酷な労働や虐待だった・・・。隠された<児童移民>の真実を明らかにした実
在の女性の物語。名匠ケン・ローチを父に持つ、ジム・ローチ衝撃の長編デビュー作。

『パプーシャの黒い瞳』(2013/ポーランド))

上映期間:6月20日(土)~26日(金)
監督:ヨアンナ・コス=クラウゼ、クシシュトフ・クラウゼ
出演:ヨヴィタ・ブドニク、アントニ・パヴリツキ

書き文字を持たないジプシーの一族に生まれながら、幼い頃から、言葉に惹かれ、文字に惹かれ、こころの翼を広
げ、詩を詠んだ少女“パプーシャ”。彼女は成長し、やがてポーランドの詩人イェジ・フィツォフスキと出会い、ジ
プシー女性として初めての「詩人」となる。しかし、彼女の詩は、古くから伝わるジプシーの秘密を外部にさらし
たとその社会を追放されてしまう・・・。驚嘆すべきモノクロ映像美による名匠クシシュトフ・クラウゼの遺作。