思春期特有の揺れ動く思い、家族との関わりを繊細に描いた映画『はちどり』の本編映像が解禁された。
1990年代の韓国。14歳の少女ウニ(パク・ジフ)は集合団地で両親、姉、兄と共に生活している。思春期を迎え、大人の世界への興味を持ち始めていたウニは、学校になじめず、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女の子とデートをしたりして過ごしていた。厳格な父は子どもたちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がない。ウニは、自分に無関心な大人たちに囲まれ、孤独な思いを抱えていた。そんななか、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会う—。今韓国で最も話題の女性監督の一人、キム・ボラによる初長編作品である本作は、監督自身の少女時代の体験がベースとなっている。
今回、主人公ウニが憧れの大人の女性ヨンジと夜の公園で静かに心を通わせる本編映像が解禁された。映像は思い通りにいかない日常に行き詰まったウニが、そのモヤモヤした気持ちを抱えたまま自身が通う漢文塾の先生のもとを訪れ、そこからの帰宅途中に夜の公園で2人だけで休息するシーンから始まる。「私が可哀想だから親切に?」ヨンジ先生(キム・セビョク)に尋ねるウニ。自分にとって憧れの女性である先生がこんなにも“何もない”自分に優しくしてくれる理由がわからないのだ。「バカな質問には答えないわ」と優しく諭すヨンジ先生にウニは「先生は自分が嫌になったりしない?」と質問。
それに対してヨンジ先生は「何度もある」「本当に何度も」「自分を好きになるには時間がかかると思う」「自分が嫌になる時、心をのぞいてみるの。“こんな心があるから、今の私を愛せないんだ”って」と正直に答える。自分にとってのパーフェクトな大人の女性である先生からそんな答えを聞いて驚くウニ。そんなウニを見ながら、ヨンジ先生は続ける「ウニ。つらい時は指を見て。そして指を1本1本動かすの。すると神秘を感じる」「何も出来ないようでも、指は動かせる」・・・毎日いろんなことに翻弄され悩むかもしれないけれど、何気ない日常にこそが奇跡で大事なことがつまっている、ということをヨンジがそっと伝え、ウニが理解する。年齢の差は関係なく“自分や人生に対して悩む同じ二人の人間として”ウニとヨンジが心を通わせるシーンとなっている。
本編映像
映画『はちどり』は2020年4月25日(土)よりユーロスペースほか全国で順次公開!
監督・脚本:キム・ボラ
出演:パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ
配給:アニモプロデュース
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