『水曜日が消えた』の舞台挨拶が6月20日（土）に配信され、主演の中村倫也が登壇した。

イベントが行われた劇場の座席には、中村倫也演じる7人の僕のパネルが置かれ、この様子にファンからは歓喜の声が沸き起こった。舞台挨拶が開始時には「本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。中村倫也です」と中村による影ナレが始まり、「少しの時間ではありますが、今日ここに来てくださった方限定の配信舞台挨拶です。是非お楽しみください。まる」と会場を沸かせた。

公開を迎えた気持ちを「非常にワクワクしています」と表現した中村は、「観に来てくれた方が楽しんで、帰り道に誰かに話したくなるような映画になっていたら良いなと思います」と自信を見せた。また、作品について「観終わった後、自分がどういう感覚になるんだろうなっていうのは、定めきらずに撮っていたので、試写を観終わったときに勇気をもらいました。人によっていろいろな受け取り方ができる作品だと思っています」と楽しみ方を語った。

また、「人間みんな色々な顔を持っていて、その自分の色々な顔に時々翻弄されたり、反省したりとか、生きていると色々な思いがあって。僕もそういうところあると思うんですけど。この作品を観たときに、そういうことを認めていく“力”だったり、自分だけではなくて色々な人と接点を持つことで、成長していくとか、受け入れていくとか、背中を押してもらった気がいたしました」と思いを明かした。

撮影については「スーパー寂しかったです（笑）雑談できる出演者がいる日の方が少なかったので。スタッフさんが準備をしている中で、僕は和室にずっと座っていたような気がします」と明かしつつ、「色々な経験をして、色々な人の背中を見ていく中で、役者としてだけではないかもしれないですが、人生観として、“背伸びしても、たかが知れている”と思っているので、緊張とか気負いとか、排除しています」と振り返った。

共演者については、深川については「監督が例えた“中学生男子の憧れ”というのをいやらしくなく演じられる稀有な方」と称賛。ほかにも「石橋さんも台本読んだ時から、一番繊細で難しい役なのかなと思っていた役を見事に軽やかだけど、質量伴う役にしてくれて、すべての化学反応がハマっているなと思った」などと共演者への思いを明かした。

今回主演を務めた事については「年々、中村倫也どうでもいいって思っているので（笑）いままではスパイスみたいな役柄で、作品に刺激をもたらす役が多くて、それにはそれのかかり方があるけど、（今回は）そうではない。色々な人と色々なシーンで呼吸を合わせることは意識してました。それがより一層楽しくなってきた年ごろ、そんなぴちぴちの17歳（笑）」と、冗談を交えつつ語った。

最後に、「きっと、（7人の僕は）どこかにいるかもしれません。映画が始まれば、皆様もこの世界に入っていける。そういった作品になっていると思います」と本作をアピールした。

本作は、1人の人間の内側で、曜日ごとに入れ替わって暮らしている7人の“僕”が主人公。他の“曜日”とは、直接会うことはできず、日記を通してのみ間接的に互いを知っている。そのうちの最も地味でつまらない1人、通称“火曜日”の視点を通して描かれていく世界の物語。主人公を演じるのは、「日経トレンディ」が選ぶ「2019年 来年の顔」に選出され、話題作への出演が相次ぐ中、『凪のお暇』のゴン役でも大きな話題を呼んだ中村倫也。メガホンをとるのは次の時代を担う気鋭の映像クリエイター100人を選出するプロジェクト「映像作家100人2019」に選ばれるなど注目を集める吉野耕平。

映画『水曜日が消えた』は全国で公開中！
監督・脚本・VFX：吉野耕平
出演：中村倫也／石橋菜津美、中島歩、休日課長／深川麻衣、きたろう
配給：日活
©2020『水曜日が消えた』製作委員会