『ハミルトン』
7月3日(金)16:00よりディズニープラスで配信予定
©2020 Lin-Manuel Miranda and Nevis Productions, LLC.


ディズニーの定額制公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」で7月3日(金)より世界同時配信されているミュージカル『ハミルトン』の最新情報が到着した。

ディズニーが世界で展開する定額制公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」では、ディズニーが保有するディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィックの名作・話題作、ここでしか見ることができなオリジナル作品が、いつでも、どこでも、見放題で楽しむことができる。

今回、トニー賞・ピューリッツァー賞受賞のミュージカル『ハミルトン』が7月3日(金)より世界同時配信、日本国内では同日16:00より配信開始されることが決定した。アメリカ建国の父の一人で、10ドル札の肖像になっているアレクサンダー・ハミルトンの生涯を、ヒップホップ、ジャズ、R&Bとブロードウェイが融合し描く歴史ミュージカル『ハミルトン』。配信では、舞台を“そのまま”撮影し、映像化。視聴者は独自の近さで、ブロードウェイのステージを楽しむことができる。制作は、ブロードウェイの制作陣からリン=マニュエル・ミランダ、ジェフリー・セラー、トーマス・ケイルが参加、トーマス・ケイルは監督も務める。

世界同時配信を実現するために、配信開始のタイミングでは英語音声のみとなる。日本語字幕版の配信については、決定次第公式サイト等にて発表される。

6月16日[現地時間]にリモート上でオンライン記者会見が行われ、舞台のために書かれた本作が、映画公開用に作りなおされ、ディズニープラスで世界同時配信されることについてや、リンが本作制作時にディズニーアニメーション『モアナと伝説の海』の楽曲制作を兼務していたこと、また公開が1年早まったため各国語字幕が間に合わず、まずは英語版のみの配信となることなど、主演リン=マニュエル・ミランダとトーマス・ケイル監督が本作に対する熱い想いを語っている。

もともと2021年10月に全米で劇場公開が予定されていた本作だが、今回1年以上早まり、7月3日よりディズニープラスで配信されることになった。リンは、「まず、この舞台が評価されてヒットもした2015年のある時点で、スタッフ・キャスト全員がありえないようなすごい状況に置かれることになった。週に8回ショーをやっている間に僕ら全員に起きたことは、これまでまったく経験したことがないクレイジーな状況だった」と開幕時からの高評価に驚きを見せている様子。

その興奮の中で、「かなり初期の頃に僕らが気づいたことが2つあった」といい、「1つは、もしショーを若い人たちにも観に来てもらうことができなければ、意味がないということだ。それで、僕らはHamilton Education Program Experienceというのを作って、どんなにチケットがショップで高騰していても学生たちが『ハミルトン』を観に来れるようにしたんだ」と明かす。

さらに「2つ目は劇場キャパの問題だった。リチャード・ロジャース劇場で1回に観てもらえるのは1300人で、ずっと見たくても見られない状態が続いていた。だから、この素晴らしい舞台を記録して残せるように、すごく一生懸命努力したんだ。それで、僕を含むオリジナルキャストが去り始める前の週に、ショーをやっている間に撮影することが出来たんだよ」と振り返り、そのことが今回の映画化に繋がったことをうかがわせた。

この時期には『モアナと伝説の海』の曲を書いていたというリン。その同時進行について「映画の中で僕はとても疲れて見える。そういうふうに見えるだけのことをやってたんだよ」とも振り返っている。

また、本来舞台のために書かれた本作を映画化したことについてトーマス監督は「視聴者に同じ席を与えようとすることは早い段階から重要だった。劇場へ観に行くと、座席は前後左右さらに2階席やバルコニーまであって観客が見る地点がかなり違う。それは、劇場にいることの素晴らしさの一つなんだ」と劇場ならではの体験の重要性を語り、そのために「僕らは3日間にわたって撮影した。ライブ・パフォーマンスは日曜日のマチネーと、火曜日の夜とで、2回、通しで撮影した。ショーを止めたりしなかった。それから、日曜の夜と、月曜日丸1 日、そして火曜日の朝とステージに行って、ショーの中に入り込む違う撮影をした」と明かした。

トーマス監督は「僕の目標は、ショーの中に入り込んで、カンパニー全員によって、本質的に、美しく、作られたショーを讃えることだった」といい、「映画の中で、クローズアップは観客に親密さを与えてくれる。でもそれはまた、全体像を見るのを妨げることになりうる。だから、映画を作っている間ずっと、僕らは劇場にいるんだということを決して忘れないようにするにはどうすればいいか、深く話し合ったよ」とその見せ方へのこだわりも語った。

現在、NYのブロードウェイでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で劇場が閉鎖されており、本作『ハミルトン』も来年1月3日までの公演がキャンセルされることが決定している。そんな現状について「もちろん劇場にいるということには、劇場が閉まっている今は違う重要性がある。なぜなら、今僕らはこのショーを劇場で上演することが出来ないし、観客も劇場に行くことが出来ないからだよ」と語っている。

本作『ハミルトン』は、第70回トニー賞で13部門16ノミネートで最多ノミネートを記録、11部門で受賞するなど高評価を得ている。そんな本作の“アレクサンダー・ハミルトンのストーリーは、アメリカ以外の観客にとっても重要なものであり続けると思いますか?”と言う質問にリンは、「そう願っているよ。『レ・ミゼラブル』はフランスのお話しだけど、フランス以外の国々の観客の共感を呼ぶのと同じようにね。革命は普遍的なんだ。与えられた人生で何をするかというストーリーも、願わくば、普遍的だ」と語った。

また、リンは続けて「当初、来年10月に映画館で公開する時に、多言語版をつけようと思ってたんだ。でも、公開時期が繰り上がったから、各国語の字幕は、出来るようになって、準備が出来たものから足していくことになるよ。だから、それは今後引き続き作業を進めていくことになる。このショーの中の何千という言葉を翻訳しないといけない人々には申し訳なく思うよ」とその経緯を明かした。

さらにリンは「僕はこの話を何度も話したことがあるんだ。日本の『屋根の上のバイオリン弾き』のオープニングナイトに、観客がスタッフのところにやって来て言ったんだ。『この舞台はアメリカのミュージカルだと聞きました。なぜそんなことが可能なんでしょうか?これはすごく日本的ですよ』と言ったんだ。だから、僕らが願っているのは、もし僕らが十分な技能を持って語っていれば、それは、生まれた国を越えて、人々の共感を得るだろうということだよ」と振り返っている。

また、舞台を撮影した映像作品ではなく映画版を作りたいと話したことがあるリンだが、「そのことについて考えるのは難しい。なぜなら僕は、今回の映像作品をとても誇りに思っているからだよ。6年、7 年かけて書いた舞台を、こんなに素晴らしい映画的ビジョンで、世界中の多くの人々に見てもらえるなんて、すごく稀なことだからだよ。僕は、世界中の人々に今回の映像作品を見てもらえるようになったことを、本当に誇りに思っているよ」と語った。

US版トレーラー


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