7月31日(金)より公開の『剣の舞 我が心の旋律』など、この夏は音楽が主役の“音楽映画”が続々と登場する。

若き巨匠アラム・ハチャトゥリアンがひと晩で書き上げた名曲の誕生秘話を描く『剣の舞 我が心の旋律』では、名曲「剣の舞」に込めた民族の悲しみと世界平和への祈り、その知られざる真実が明らかになる。さらに、この夏に続々公開の“息を飲む音楽に彩られた”3作品は、“主役は音楽!?”がキーワード。その音楽映画をご紹介。

若き巨匠がひと晩で書き上げた名曲の誕生秘話『剣の舞 我が心の旋律』

【7月31日(金)公開】
第二次世界大戦下のソ連。迫り来る戦火から逃れるため、レニングラード国立オペラ・バレエ劇場はモロトフに疎開していた。寒さと食糧不足に悩まされながら、団員達はまもなく初演となるバレエ『ガイーヌ』の練習を続けている。劇団の音楽を担当する作曲家アラム・ハチャトリアンは振付家のニーナから連日のように変更が伝えられ、修正に追われていた。重圧に苦しむアラムは、入院騒ぎを起こしてしまうが、親友の作曲家ショスタコーヴィチらとの音楽談義に癒され、作曲家としての矜持を強くする。初演が迫ったある日、文化省の役人プシュコフは完成した『ガイーヌ』の結末を変更した上に、最終幕に士気高揚する踊りを追加せよと命じる。団員の誰もが不可能と訴えるが、アラムは作曲家人生を懸けて理不尽な挑発に立ち向かう・・・。
監督・脚本:ユスプ・ラジコフ
出演:アンバルツム・カバニアン、アレクサンドル・クズネツォフ、セルゲイ・ユシュケビッチ
2019年/ロシア=アルメニア映画/アルバトロス・フィルム配給

『剣の舞 我が心の旋律』
© 2018 Mars Media Entertainment, LLC, DMH STUDIO LLC

『剣の舞 我が心の旋律』
© 2018 Mars Media Entertainment, LLC, DMH STUDIO LLC

超豪華アーティストによる31曲が全編を彩る『WAVES/ウェイブス』

【7月10日(金)公開】
世界中の映画ファンが注目する新進気鋭のスタジオA24が放つ最新作!誰もが体験する青春の挫折、恋人との別れと出会い、親子の確執、家族の絆、そしてすべての傷を癒す愛といったさまざまなテーマを、実験的かつ現代的な手法で見事に描き切り、観客の心を鷲掴みにした。スクリーンいっぱいに躍動するサウンド、息を呑むほど美しい色彩と独創的なカメラワーク、登場人物の心情を疑似体験させるストーリーテリングは、いまだかつてない映画体験だと称賛され、観る者に映画の無限の可能性を感じさせる。
監督・トレイ・エドワード・シュルツ
出演:ケルビン・ハリソン・Jr.、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミー
2019年/アメリカ/ファントム・フィルム配給

『WAVES/ウェイブス』
©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.

『WAVES/ウェイブス』
©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.

海の上で生まれ、生涯一度も船を下りなかったピアニストの伝説『海の上のピアニスト』

【8月24日(金)】
『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督と映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがタッグを組んだ不朽の感動作『海の上のピアニスト』が日本劇場公開から20年の時を経て、色鮮やかな4Kデジタル修復版でスクリーンに蘇る。煌びやかな豪華客船の内部や、青く透き通るような海など、これまで表現しきれなかった細部まで色彩豊かに蘇っている!また、当時日本では公開されることのなかった、トルナトーレ監督が本当にやりたかった全てを描き切った170分にも及ぶイタリア完全版(HDリマスター)も待望の日本初公開となる。インターナショナル版としてカットされた40分以上のシーンが復活、タイトルやクレジットロールもイタリア語で演出されるなど、本作のファンが長く待ち望んでいた内容が盛り込まれている。
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ティム・ロス、プルイット・テイラー・ヴィンス、メラニー・ティエリー、ビル・ナン、ピーター・ヴォーン、クラレンス・ウィリアムズ三世
1998年/アメリカ=イタリア合作/シンカ配給

『海の上のピアニスト』
©1998 MEDUSA

『海の上のピアニスト』
©1998 MEDUSA

バッハに愛されたピアニストの不屈の実話を映画化『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』

【9月11日(金)公開】
「20世紀最高のバッハの演奏家」と称され、事故によるハンディキャップを抱えながら、不屈の精神で困難に立ち向かったピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスの半生を描いたドラマ。病弱の幼少期にピアノと出会い、その才能が大きく開花させたジョアン・カルロス。その才能を伸ばしていったジョアンは、20歳でクラシック音楽の殿堂として知られるカーネギーホールでデビューを飾り、「20世紀の最も偉大なバッハの奏者」として世界的に活躍するまでになる。一流の演奏家として世界を飛び回っていたが、不慮の事故により右手の3本の指に障害を抱え、ピアニストとしての生命線である指が動かせなくなってしまう。しかし、不屈の闘志でリハビリに励んだジョアンは、ピアニストしての活動を再開。自身の代名詞ともいえるバッハの全ピアノ曲収録という偉業に挑戦する。そんな中、ジョアンはさらなる不幸に見舞われてしまう。
監督・脚本:マウロ・リマ
出演:アレクサンドロ・ネロ、ダヴィ・カンポロンゴ、アリーン・モラエス、フェルナンダ・ノーブル
2017年/ブラジル/イオンエンターテイメント配給

『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』

『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』