『宇宙でいちばんあかるい屋根』の完成披露試写会が8月3日(月)に新宿バルト9で行われ、清原果耶、藤井道人監督が登壇、桃井かおりがリモートで参加した。
ロサンゼルスに在住の桃井はリモートでの参加となった今回のイベントだが、久々の再開となった清原が「嬉しいです、お顔が見られて」と笑顔で挨拶すると、桃井は「会えればよかったんですけど、行けなくてごめんなさい」と答えるなど和やかな雰囲気で行われた。
本作が映画初主演作となった清原だが、鑑賞時には「放心状態になった」と振り返り、さらに主題歌も担当しており「なかなか客観視できず、“終わった”という安心感に似た喪失感が大きかった」と明かした。一方で桃井は「今までで一番自分が出ていることが気にならなかった」と明かし、「映画として見れた。監督が『彼女の世界を描いている』と言っていてすごくよく分かった」と振り返った
劇中では高校受験を控えた少女・つばめを演じる清原が出会う不思議な老婆・星ばあを演じた桃井だが、そんな桃井との共演を「一緒にお芝居をさせていただいて、こちら側に伝わるエネルギーの濃さよか、強さ、大きさをとてつもなく感じることができる方」と称賛し、「前向かなきゃって奮い立たせられるような、現場で必死に後をついていきたくなるような印象でした」振り返った。
それに対して桃井は、清原の印象を「まじめで、自分が何をやろうか本気で見えているので、絶対邪魔しちゃいけないなと言う気分になった。彼女がやろうとしている、ストイックに考えていることは、私にもそういう時期があったのですごくわかる。冗談抜きで私がついていったんです。映画を見てすごいよかったです」と大絶賛。清原は「なんて答えていいか分からない・・・」と驚きつつも喜びを口にした。
劇中の星ばあから飛び出す言葉が印象的な本作だが、“一番響いた言葉は?”という質問に清原は「『しぶとく生きろ』って言われるシーンがあるんですけど、つばめとしても深く受け取ったつもりだったんですけど、今でもその言葉を思い返した時に、その言葉が染み込んできて、ちゃんと今やってることを丁寧にしぶとく、ずぶとくやっていきたいなと」とコメント。
桃井には“今の時期に星ばあだったらなんて言う?”という質問に「生きとけってことですかね。若い時に考えたほど人生は長くなかった。まだ私も終わってないが、生きてるってことは結構おもしろいなと。年食ってからもまたおもしろいのでとにかく生きとけ、ですかね」と答えた。
最後に清原は「この作品は本当に本当に大切な作品で、あんなに奇跡的な充実した夏をみなさんと過ごせた私は本当に幸せ者だなと、今でも心から素直に喜べる素晴らしい現場を経て完成した作品です。何かすごく懐かしい気持ちにさせるような部分もあれば、自分の行動を思い返したくなるような、何か残るような作品になっていれば」と本作をアピールした。
小説すばるで新人賞を受賞するなど、その表現力で多くのファンを魅了する作家・野中ともその同名人気小説を、『新聞記者』で注目を集めた実力派監督・藤井道人が映画化した本作。清原果耶が演じる平穏でも悩みはあって、時々息苦しくなる14歳のつばめは、満天の星が輝くある夜、ド派手な身なりで底意地の悪い、キックボードに乗った(!?)あやしい老婆“星ばあ”(桃井かおり)と出会う。いつしか二人はお互いの心のどこかに空いた穴を埋め合うように距離を縮めていく。つばめの前に起こる事件、最後に明かされる星ばあの正体―。ひと夏の大切な何かを探す、二人のキュートで、愛おしい、感動のファンタジードラマ。
【写真・文/編集部】
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』は2020年9月4日(金)より全国で公開!
監督・脚本:藤井道人
出演:清原果耶、伊藤健太郎、水野美紀、山中崇、醍醐虎汰朗、坂井真紀、吉岡秀隆、桃井かおり
配給:KADOKAWA
© 2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会