今年は“コンペティション”など3部門を統合し「TOKYOプレミア2020」を新設―［第33回東京国際映画祭］10月31日より開催

第33回東京国際映画祭において、昨年まで実施されたコンペティション部門等の3部門が今年の開催回では統合されることが発表された。

第33回を迎える今年は、10月31日（土）～11月9日（月）の10日間にわたって、六本木エリアを中心に開催されることが既に発表されている東京国際映画祭。新型コロナウィルスの影響で、世界中の映画祭の多くが中止や延期、縮小等を余儀なくされている。そのような状況下で東京国際映画祭は、「①映画を観る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す」、「②映画を通じて国際的な連帯を強める」、「③コロナ後の映像文化についての考察を深める」という目的を掲げ、映画館でのフィジカルな上映を基本として実施することを発表した。また、シンポジウムやゲストのトークなどにオンラインを活用する。

人の国際的移動の困難や感染対策の徹底等多くの制約があり、例年と同じような映画祭を行うことが難しいことを鑑みて、昨年まで実施されていた「コンペティション」、アジアの新鋭監督を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門が今年は「TOKYOプレミア2020」という1つの部門に統合され、例年のような賞を競う形ではなく、部門内の全作品を対象に観客に投票してもらう「観客賞」を設ける。

「TOKYOプレミア2020」は、ワールド・プレミアやアジアン・プレミアの作品を中心に、内外の個性豊かな監督による新作の披露を観客と共に祝福するショーケース部門。日本、アジア、欧米といった地域のバランスは保ちながら、従来のコンペ3部門の選定視点も残し、30本程度のプログラムを予定。全体のラインナップとしては、全作品が監督のキャリアに関わらずフラットに並び、世界から集まった映画の多様性が持つ面白さを観客に味わってもらうことを目的とする。それ以外の部門の詳細は後日発表される。

また、本年は上映作品の選定にあたっては、幅広い知見・人脈と多様な価値観を有する外部専門家の協力を頂き、委員会制の合議の下に進める。作品選定コミッティメンバーは、安藤紘平（早稲田大学名誉教授）、石坂健治（東京国際映画祭シニア・プログラマー）、市山尚三（映画プロデューサー）、金原由佳（映画ジャーナリスト）、関口裕子（映画ジャーナリスト）、矢田部吉彦（東京国際映画祭シニア・プログラマー）の6人。

さらに、これまで時期的に近接して開催していた映画祭の東京フィルメックスと連携を深め、カンヌ映画祭の大きな枠組みの中で独立性をもって開催される「カンヌ監督週間」と似た形で、ほぼ時期を同じくして開催される。