今回解禁されたビジュアル


第76回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したスウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソン監督最新作『OM DET OÄNDLIGA(原題)/ABOUT ENDLESSNESS(英題)』が『ホモ・サピエンスの涙』の邦題で11月20日(金)より公開されることが決定した。

時代も性別も年齢も異なる人々が織りなす悲喜劇を描く本作。映像の魔術師ロイ・アンダーソン監督が構図・色彩・美術と細部まで徹底的にこだわり、全33シーンすべてをワンシーンワンカットで撮影。この世に絶望し、信じるものを失った牧師。戦禍に見舞われた街を上空から眺めるカップルこれから愛に出会う青年。陽気な音楽にあわせて踊るティーンエイジャー悲しみと喜びを繰り返す人類の姿を、愛と希望を込めた優しい視点で映し出す。

前作『さよなら、人類』(2014)で、第71回ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞に輝き、さらに5年ぶりとなる最新作『ホモ・サピエンスの涙』でも同映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)受賞という快挙を成し遂げた巨匠ロイ・アンダーソン。CG全盛のこの時代にCGはほぼ使わず、野外撮影ではなく巨大なスタジオにセットを組み、模型や手描きのマットペイント(背景画)を多用するという、アナログにこだわった手法で傑作を生みだし続けてきた。そんな唯一無二の世界は、映画ファンのみならず、アリ・アスター、アレハンドロ・G・イニャリトゥ、ダーレン・アロノフスキーなど名だたる映画監督たちをも魅了してきた。

今回解禁された予告編では、スタジオ撮影とは思えないような、奥行きと広がりのある監督こだわりの精巧な映像美が垣間見える。悲しみを抱えた不器用で愛おしい人々の姿を切り取りつつ、「人類は、悲劇に負けずに生きていける」との言葉が添えられ、今を生きる私たちへ向けられた希望溢れる作品メッセージを感じさせる映像となっている。ビジュアルは、世界的に有名な画家マルク・シャガールの絵画からインスピレーションを受けて生まれた“上空を漂うカップルが印象的に配され、さらに十字架を背負った男や、傘をさす親子など、エピソードに期待が膨らむような登場人物たちの姿が散りばめられている。

さらに、国立映画アーカイブ(東京)で9月12日~26日に開催される第42回ぴあフィルムフェスティバルでは、「ロイ・アンダーソン・コンプリート特集」を実施。『ホモ・サピエンスの涙』ほか、過去作『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』『ギリアップ』『散歩する惑星』『愛おしき隣人』『さよなら、人類』、さらには学生時代の作品を含む初期短編の上映が予定され、ロイ・アンダーソン監督へさらなる注目が集まっている。

予告編

映画『ホモ・サピエンスの涙』は2020年11月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開!
監督・脚本:ロイ・アンダーソン
出演:マッティン・サーネル、タティアーナ・デローナイ、アンデシュ・ヘルストルム
配給:ビターズ・エンド
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