20世紀アメリカ文学界を代表する作家の“真実“―『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』が予告編と場面写真が解禁された。
多くの傑作小説を残した20世紀アメリカ文学界を代表する作家トルーマン・カポーティは、ニューヨーク文壇の寵児として、また、ゲイのセレブリティのアイコンとして社交界を席巻した。『冷血』の大成功を経て長年出版が待ち望まれた新作『叶えられた祈り』は、ニューヨークの上流階級(ハイソサエティ)の実態を描いた最高傑作となるはずだった。しかし第一章が発表されるや否や、そのスキャンダラスな内容によって激しい論争を巻き起こす。社交界から追放され、多くの友人を失ったカポーティは、アルコールと薬物中毒に苦しみ、作品の完成を待たずしてこの世を去ることとなる。なぜ彼は、多くの人を傷つけるような本を執筆したのだろうか? 死後36年を経て、彼の波乱に満ちた人生を濃密に網羅し、「未完の絶筆」とされている問題作『叶えられた祈り』をめぐるミステリーに迫る珠玉の文芸ドキュメンタリーがここに完成した。
今回解禁された予告編はカポーティの印象的な言葉で始まる。椅子に腰かけたカポーティの映像に、「指折りの人たらしよ」「掛け値なしの奇人だ」「ヴォルテール以来の騒がれよう」「ゲスな男だ」「ふしだらで楽しかった」「ドラッグ漬けだった」と、数多くの証言者がその人となりを語る音声が重ねられる。テレビ番組で強烈なジョークを飛ばす姿や、ハリウッドスターや有力政治家といった著名人たちが仮面をつけて集った“黒と白の舞踏会”での姿など、映し出される煌びやかな生活ぶりはまさしくセレブリティそのもの。しかし、その生活は誰もが知るセレブたちの実態をスキャンダラスに描いた未完の問題作『叶えられた祈り』の発表をきっかけに崩壊していく。
「いろんな人に会うことのほうが執筆より大切になっていった」と養女が語るカポーティは、社交界を追放され、鎮痛薬に依存し、混乱した様子でテレビ番組に出演する姿も捉えられ、予告編は自虐的とも取れるカポーティ自身の「ご用心を!」という呼びかけで結ばれている。
併せて解禁された場面写真は、カポーティが“白鳥(スワン)”と呼んだ、ニューヨーク社交界のセレブ女性たちをエスコートし、「黒と白の舞踏会」にてダンスに興じる様子や、誰もが知る画家アンディ・ウォーホルを従えたショット、眼鏡を手に目をつぶる思慮深き肖像、そしてソファーで寝そべりながらカメラ目線を送る姿など、天才作家のさまざまな表情を捉えた5点。
予告編
映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は2020年11月6日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国で順次公開!
監督・製作:イーブス・バーノー
出演:トルーマン・カポーティ、ケイト・ハリントン、ノーマン・メイラー、ジェイ・マキナニー、アンドレ・レオン・タリー
配給:ミモザフィルムズ
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