『東京バタフライ』の初日舞台挨拶が9月11日(金)にアップリンク吉祥寺で行われ、白波多カミン、水石亜飛夢、佐近圭太郎監督が登壇した。
本作が長編映画初出演にして主演を務めた安曇役の白波多は「やっと初日を迎えられてうれしく思います」と挨拶、仁役の水石は「久しぶりにみなさんの顔を見ることができてしあわせですね。映画を観る前のお客さまの顔は独特ですからね」としみじみした様子で呼びかけた。
白波多は、この日ともに登壇した共演者の水石の印象について「イケメンだなと思いました」とコメント、水石は白波多について「とても空気感がある方だなと思いました。歌うと力強いし、お芝居も目の前に安曇がいるという感じだった。僕自身引っ張っていただきました」と語ると、白波多は「さっきはふざけてすみません。水石さんはとてもステキな青年で。引っ張っていただきました」と返答。その様子に水石が思わず笑顔になるなど、和気あいあいとした様子を見せた。
そんな2人の印象を聞かれた佐近監督は水石について「亜飛夢くんはオーディションをやりました。亜飛夢くんが入ってきて、すぐに仁が来たと思いました。彼しかいないなと思ってお声がけさせていただきました」と明かし、白波多については「安曇はアーティストで音楽やられている方といいと思って。プロデューサーがYouTubeにこんな人がいるよということで50人のリストを作ってくれたんです。49人見ても、安曇役が見つからなくて。どうしようかと思ったんですが、プロデューサーが『50人目を忘れていました』と言って。カミンさんの名前を付け加えたんです。それが『バタフライ』のMVだったんですが、曲もいいし、彼女はアンニュイで、何を考えているのか分からない表情だった。とにかく彼女を撮りたいと思いました。それがなかったら一緒にできていなかったですね」と語り、これには白波多も「人生が変わっていましたね。それも運ですね」とコメント。
“理想と現実”をテーマとした本作にちなみ、自身が感じる“理想と現実”について白波多は「わたしはずっと、理想の自分が、自分だと思い込んできたんです。そこにいけないことがおかしいと思って、自分を責めていました。それに気付けたのが最近で。現実と理想があるということが分かったら、それとの距離の取り方が分かってきた。できないときはできないし。そう考えたら楽になりました。できないときも、それがいい悪いではなくて、全部味わい尽くして死ねればいいですね」と心境の変化を語った。
水石も「今、聞いていると理想って難しいなと思いましたね。いろんな業界でトップと呼ばれる人でも、今の自分が理想ですと言える人がいるのかなと。でも僕も理想とか目標があって。そこに届いていない時はやっぱりまだ努力不足だと思うし、上には上もいますし、あとはご縁もあると思います。でもなんかこれまでの人生で無駄ってなかったと思うんですよね。理想に近づくために生きているんだと思います」とコメントし、「これまで出会った作品もいい作品ばかりなんで。自分で言うのもなんですが、ありがたいです。出会うべくして、出会っているんだろうなと思って、やらせていただいています。もちろん『東京バタフライ』もそうです」と付け加えた。
かつてメジャーデビュー寸前まで行った人気大学生バンド4人組。ささいな行き違いで解散してしまった彼らは、6年後、20代後半となってそれぞれの生活を歩んでいた。結婚、仕事、人間関係―。さまざまな人生の悩みに直面した彼らは、ふとしたきっかけで再び集まることになる。叶わなかった夢の残り香を胸に、30代を迎えようとする彼らのリアルに描く。主演にシンガーソングライターとして活動する白波多カミンを迎え、水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生ら新進気鋭のキャストが集結。人生うまくいかないことだってあるけれどそんな中でも腐らず目の前の生活を一生懸命生きる若者の姿を描き、生きていく上で誰もが抱える後悔や挫折とストーリーをリンクさせ同世代へ共感を誘う。
映画『東京バタフライ』は2020年9月11日(金)より全国で公開中!
監督・編集:佐近圭太郎
出演:白波多カミン、水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生
配給:SDP
©2020 WIT STUDIO/Tokyo New Cinema