『窮鼠はチーズの夢を見る』の公開記念舞台挨拶が9月12日(土)に都内で行われ、大倉忠義、成田凌、行定勲監督が登壇した。
9月11日(金)より公開された本作。この日、無観客で行われた舞台挨拶は全国100の劇場でライブビューイングが行われた。
登壇した成田は「さっき裏で3万3千人って聞いて僕はドキッとしたんですけど、大倉くんは素直に受け入れてますね。さすがだなと思いまして」と緊張の様子を見せながらも「ライブビューイングで舞台挨拶というのは今後も続いていくんですかね」とコメントした。
恋愛映画として様々な方に届いていることについて問われた行定監督は「よく恋愛映画の名手とか書かれたりするんですけどね、ちょっと恥ずかしい感じがあったんですよ。ジャンルからすると軽視されがちと言われていて、ただ芸術として評価しにくい部分も恋愛にはあって、観た人たちは私事だったりするから」と語り「この映画は恋愛についての考察は、とことん恋愛なんです。胸を張って“恋愛映画です”と言ってきたんですけど、それが伝わってくれたんじゃないかと感じていますね」とコメントした。
映画のために作ったというハイチェアが出てくるが、「成田くんのお尻じゃないとあの座り方できない。僕はできなかった」と明かす大倉。成田も「今やれって言われたらできないかも」と返し、行定監督は「あのとき相当しぼってたもんね」とコメントし、そのシーンにかける思いを明かした。
また、好きなシーンについて聞かれた大倉は「おしまいだってなってから海までのシーンが好き。悲しいんだけど画がきれいっていう残酷さが好き」と明かし、このシーンについて行定監督は「重要なポイント」といい、途中で脚本家を止めたほどだったという。
最後に大倉は「すごく待ち望んでいた公開だったので、届けられている幸せを感じています。もう一回見ていただくのはもちろんありですし、友だちに紹介していただいて、いろんな感想を言い合っていただけたら」、成田は「見てくださる方をすごく信頼して作った映画です。見てくださった方の数だけ受け取り方があると思う。昨日、今日見てくれた方も一か月後に見たらまた違う受け取り方をすると思う。僕らももう一度見たら違うんだろうなと感じています。話し合って、恋をしてください」と本作をアピールした。
原作は、人を好きになることの喜びや痛みをどこまでも純粋に描き、圧倒的な共感を呼ぶ心理描写から、多くの女性から支持を得た水城せとなの傑作コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」。主人公・大伴恭一を大倉忠義、恭一への想いを募らせ葛藤する今ヶ瀬渉を成田凌が演じる。メガホンをとるのは、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を2度受賞するなど、日本を代表する映画監督・行定勲。その繊細な表現力と確かな演出力で、揺れ動く二人の切ない恋を、時に繊細に時に大胆に描き出す。本作はR15指定となっている。
【写真・文/蔭山勝也】
映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は全国で公開中!
監督:行定勲
出演:大倉忠義、成田凌、吉田志織、さとうほなみ、咲妃みゆ、小原徳子
配給:ファントム・フィルム
©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会