32歳で命を絶った“非正規歌人”萩原慎一郎による歌集を映画化した『滑走路』が第33回東京国際映画祭 特別招待作品部門にて上映されることが決定し、併せてメイキング写真が解禁された。
いじめや非正規雇用といった自らの経験を基に短歌を発表し続けた歌人・萩原慎一郎による「歌集滑走路」。あとがきを入稿した翌月、32歳の若さにして命を絶ち、デビュー作にして遺作となった一冊の歌集は、苦難の中それでも生きる希望を歌い、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を呼び、自費出版がメインの歌集において異例のベストセラーを記録。原作歌集をモチーフにオリジナルストーリーとして紡がれる本作。水川あさみが扮する翠、浅香航大扮する若手官僚・鷹野、そして新人・寄川歌太が扮する中学二年生の学級委員長。それぞれ悩みを抱えて生きる3人の人生が、やがて一つの道へと繋がっていく―。非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出す。
今回、本作『滑走路』が10月31日(土)に開幕する第33回東京国際映画祭の特別招待作品として上映されることが決定した。第33回東京国際映画祭は10月31日(土)~11月9日(月)に六本木ヒルズ、EX シアター六本木ほかにて開催される。
併せて、水川あさみ、浅香航大、寄川歌太のメイキング写真が解禁された。切り絵作家を演じた水川あさみ。クランクイン前には劇中に登場する作品を提供したアーティストの河野里美のレクチャーを受け、自宅でも切り絵の所作の練習を重ねたうえで撮影に臨んだ。その努力について大庭監督も「役を練り上げるための努力を惜しまない、とても
信頼出来る俳優さんだと思いました」とコメント。劇中には本作のためにあらたに制作された河野里美のオリジナル作品も登場する。
非正規雇用問題に取り組む厚生労働省の若手官僚という難しい役どころを演じた浅香航大は、撮影現場を見学に訪れた原作者のご家族と対面を果たしたことを振り返り、「身が引き締まる思いで演じることができた」と語っている。寄川歌太、木下渓、池田優斗らが演じた中学生役は、全員がオーディションで選ばれた。新人ながら学級委員長役に抜擢された寄川歌太について、大庭監督は「演技のために身体を毛細血管まで駆使してしまう天賦の才のようなものが感じられ、一目で惚れ込んだ」とコメント。話題の人気実力派俳優から瑞々しく才気溢れる若手キャストが集結し、渾身の演技で作り上げた映画『滑走路』の世界観に期待が高まるショットとなっている。
さらに、原作の「歌集滑走路」の文庫版と、映画を元に書き下ろされた小説版が9月24日(木)に発売。待望の文庫版には、NHK「クローズアップ現代+」で「歌集滑走路」を激賞した、お笑い芸人・小説家の又吉直樹による解説もあらたに収録されている。小説版の著者は連続ドラマ化された「今からあなたを脅迫します」シリーズでも知られる新鋭作家の藤石波矢。原作の歌集に収録された数々の短歌へのオマージュや、映画にはないオリジナル要素も加えられており、映画とはまた違った感動を味わえる小説となっている。
映画『滑走路』は2020年11月20日(金)より全国で公開!
監督:大庭功睦
出演:水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、木下渓、池田優斗、吉村界人、染谷将太、水橋研二、坂井真紀
配給:KADOKAWA
©2020「滑走路」製作委員会