『星の子』の公開直前大ヒット祈願イベントがコニカミノルタプラネタリア TOKYOで行われ、芦田愛菜が登壇した。
映画のタイトルにちなんで、プラネタリウムで行われた今回のイベント。冒頭では原作者の今村夏子からのコメントが紹介され、芦田は「撮影の前日は、原作でどう描かれていたんだろうと何回も読み返して撮影に挑んだ」といい、「鑑賞中は原作者であることを忘れ、この悲しくてあたたかい物語にずっと浸っていました」と称賛する今村の言葉に「そう言っていただけると嬉しいです」と笑顔を見せた芦田。
芦田は、自身が演じる15歳の少女・ちひろについて「演じているときに、私が役に近づいていくというか、私の部分が少なくなって、ちひろの部分が多くなっていく感覚。撮影が進むにつれてちひろに似ていった気がします」と明かしつつ「つらくなるシーンもありました」と振り返った。
劇中では、岡田将生が演じる数学教師・南先生に恋をするシーンが描かれるが、その岡田からはビデオメッセージが寄せられ、「何度も何度もつらい言葉をかけてしまい・・・心が痛かったです」と話す岡田。芦田は「役なので(笑)」と笑いながらも「演じていてつらかった」というほど衝撃を受けた様子だった。そんな岡田には「今度は仲のいい先生と生徒役で共演させていただきたいです(笑)」とコメントを送り、笑いを誘った。
また、自身が演じたちひろについて「この映画の中でたくさんの人の意見を聞いたり、自分で考えたり、悩んでいくんですけど、その中で戸惑うこともあったと思うけど、両親の心の部分を信じようと思えるようになったと考えています」とコメント。
最後に「この映画を通して、信じるということについて考えたんですけど、結論は人それぞれ違うものなんじゃないかと思っています。この映画を見ていただいたみなさんにとって、信じるって何だろうとか、信じたいと思えるような大切な人って誰だろうと考えるきっかけになったらうれしいです」と本作をアピールした。
大好きなお父さんとお母さんから愛情たっぷりに育てられたちひろだが、その両親はちひろが生まれたときの病気を奇跡的に治してしまった「あやしい宗教」を深く信じている。成長していくちひろは、生まれて初めて両親と暮らす自分の世界を疑い始めていく―。ドラマデビュー作『Mother』から10年、ハリウッド映画やアニメーション映画の吹替などで観客を魅了してきた芦田愛菜が本作で演じるのは、撮影時の自身と同じ中学三年生の少女・ちひろ。“あやしい宗教”を深く信じている両親のもとで過酷な青春に翻弄されるちひろの複雑な表情を圧倒的な演技力で表現。今村夏子による同名小説を原作に、大森立嗣が監督・脚本を務める。
【写真・文/編集部】
映画『星の子』は2020年10月9日(金)より全国で公開!
監督・脚本:大森立嗣
出演:芦田愛菜、岡田将生、大友康平、高良健吾、黒木華、蒔田彩珠、新音、永瀬正敏、原田知世
配給:東京テアトル、ヨアケ
©2020「星の子」製作委員会