『十二単衣を着た悪魔』の完成披露報告会が10月20日（火）に都内で行われ、伊藤健太郎、三吉彩花、伊藤沙莉、山村紅葉、笹野高史、黒木瞳監督が登壇した。

脚本家・小説家の内館牧子が「源氏物語」を題材に、奔放で強い女性によって成長していく青年の姿を描いた長編小説「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」を元に実写化した本作。主演の伊藤健太郎が演じるのは、就職試験59連敗中の実家暮らしのフリーター・伊藤雷。何でもできる弟に対して劣等感を持つ彼が、ひょんなことから「源氏物語」の世界にトリップ。弘徽殿女御に仕え翻弄されながらも、未来を当てる比類なき陰陽師として認められることで成長していく。そして弘徽殿女御役を演じるのは三吉彩花。嫌われ者、野心家などのイメージの弘徽殿女御を、現代のキャリアウーマン顔負けのハートと冷静な分析力で息子を帝にしようと、ブレない信念を貫く芯の強い女性を演じる。

今回、黒木瞳監督と初タッグを組んだ伊藤健太郎は「監督としてどういう演出をしてくださるのかワクワクしていた。役者の立場になって考えてくださるのでありがたかったです」と振り返った。そんな伊藤健太郎へのオファーは、黒木が自身の番組の収録でラジオ局を訪れた際に「（ラジオ局の）エレベーターが開くと健太郎さん（のポスター）がいらっしゃるの。いつもそこを通るときに、『この方が雷ちゃんやってくれたらいいのにな』と見つめていて。見つめられてたんですけどポスターから（笑）」と明かし、伊藤健太郎は「見つめててよかった（笑）嬉しいです」と笑顔を見せた。

一方で三吉については「嫌われるんじゃないかというくらいマンツーマンでやらせていただいた」と役作りを振り返った黒木監督。三吉自身も「瞳さんに熱い思いを聞かせていただき、さらに愛着が湧いてきた。最初は分からないことだらけだったので、とにかく監督にくらいついて何回もやって、何回も間違えて、『今のそれ！』と言っていただいたときにすごいうれしかったのを覚えています」と明かした。さらに黒木監督は「とにかくあのヘアと十二単衣があんなに似合うのが三吉ちゃん以外にいないと思うというくらいお似合いだったので素晴らしかった」と絶賛した。

また、「自分の中ではハプニングに近い出来事だった」という伊藤沙莉は「めちゃくちゃ驚いたんですけど、あれをお芝居で表情を引き出してくださいといわれたら難しかった」と、シーンについては「言っていいのかわからない・・・」と言葉を濁しつつも、台本にない演出があったことを明かし、これに伊藤健太郎は「僕も最初は戸惑いまして。『タイミングが来たらやってくれ』と言われて、そのタイミングになったんですけど、行っていいものか悩んでいたんです。そうしたら後ろのベースから『行け！』ってすごい言われて、行くしかないんだなと（笑）」と舞台裏を明かした。

これに黒木監督は「なかなか行かないんですもん（笑）」とコメント。さらに伊藤沙莉は「まさか指令が与えられていると思わなかったから、健太郎がふざけたのかと思って。伊藤健太郎が暴走し始めたと思った」と明かし、その板挟みとなっていた伊藤健太郎は「出来上がったものを見たらなるほどと感じました」と納得していた様子だった。

最後に伊藤健太郎は「観てくださる方々も一緒に、雷のように平安時代にタイムスリップしていただいて、その世界を楽しんで、ちょっとした非現実的な体験をしていただけたらと思います」と本作をアピールした。

【写真・文／編集部】

映画『十二単衣を着た悪魔』は2020年11月6日（金）より新宿ピカデリーほか全国で公開！
監督：黒木瞳
出演：伊藤健太郎、三吉彩花、伊藤沙莉、田中偉登、沖門和玖、MIO YAE、手塚真生／細田佳央太、LiLiCo、村井良太、兼近大樹（EXIT）、戸田菜穂、ラサール石井、伊勢谷友介／山村紅葉、笹野高史
配給：キノフィルムズ
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