『さくら』のさくら咲け!完成記念トークイベントが都内で行われ、北村匠海、小松菜奈、矢崎仁司監督、犬のちえが登壇した。
原作は、「サラバ!」で第152回直木賞を受賞した西加奈子による50万部突破のベストセラーの同名小説。ごく普通の家族と、いつも家族に寄り添う愛犬のさくら。5人と1匹の家族が、残酷な運命に翻弄されながらも強く生きていく姿をやさしいユーモアを交えて描いた希望に満ちた物語。長谷川家の3人兄弟妹を演じるのは北村匠海、小松菜奈、吉沢亮という人気と実力を兼ね備えた若手俳優陣。主人公で平凡な次男・薫を北村、容姿端麗で破天荒な妹・ミキを小松、ハンサムで人気者の長男・一を吉沢が演じている。
北村は最初に共演陣を知らされた時の心境について「兄弟妹みんな、目が死んでるなと思った(笑)」と大胆発言を繰り出し、「三白眼の代表格の3人ですよね。(過去に)僕は『目が死んでる』という理由で20テイクやったことがありますから」と笑いを誘いつつ、両親を演じた永瀬正敏、寺島しのぶを含め「本当に豪華なメンバーで家族という、一番近いつながりを持てるというワクワクがあり、どんな芝居が巻き起こるのかという喜びと期待がありました」と振り返った。小松は「純粋に嬉しく『おぉっ!』と思いました。未知の家族だけど、素敵な家族になりそうだな、どんなパワーがある家族になるのかな?と思いました」と振り返り、特に母を演じた寺島との共演について「いつ何が来るんだろう?というお芝居の生々しさがあって、現場で勉強になることがたくさんあり、一日、一日が大事な時間でした」と充実した表情で語った。
現場でのコミュニケーションについて北村は「兄弟妹3人みんな、意外とくだらないことが大好きなんです。特に小松さんがダジャレを言ったりして」と小松の意外な一面を暴露し「小さなことでも笑える3人で、(劇中と)境界線を作ることができて、自然な流れで居心地のいい空気を作ることができた」と語った。小松はダジャレについて「家族の食卓のシーンで、アドリブでお父さんにご飯を取ってもらったときに『ありが豆腐』と言ったら、(本編で)使われていて・・・」と明かし、北村は、この場にいない長男・吉沢とのやりとりとして「2人で、“どうでもいいことをいい声で言う選手権”をやっていました。『靴ひもがほどけたら、結べばいいさ』とか(笑)。不思議なコミュニケーションで楽しかったです!」と和気あいあいとした現場の様子を明かした。
劇中で3人兄弟妹の長谷川家は「正月に餃子を食べる」という家族のルールがあったが、北村、小松が家族のルールを発表。北村は「自由。」と書き「考えたんですけど、しきたりやルールは何もなかった。とっても自由に育ててもらいました。本当に『好きに生きなよ』という親で、いま自分がやっていることも応援してくれるし、もしそうじゃない道を選んでも『好きにすれば』と言ってくれると思います」と家族に感謝しつつ「でも、(長谷川家のような)ルールがほしかったなとも思います(笑)」と本音をのぞかせる場面も。小松は「魚をキレイに食べるテスト」と書き「時々、サンマとかがまるまる1匹、骨付きで出されて、誰が一番きれいに食べられるかというのをやるんです。『きれいに魚を食べられるとカッコいいぞ。モテるぞ』とよく言われてました」と小松家独自の取り組みを明かした。
イベントにはもうひとりの“主役”と言える長谷川家の愛犬・サクラを演じた犬の“ちえ”が登場。久々の再会に北村も小松も笑顔を見せ、北村は「現場でサクラが起こす奇跡に何度救われたか。僕らがやることや感情を全て理解してるんじゃないかなって思いました」と共演“犬”を絶賛。小松は「現場のアイドルでした!そこにいて、みんながちえちゃんの話をして会話が生まれたり笑顔が生まれたり、癒しでした」と顔をほころばせた。現場でのちえとの関係性について北村は「僕ら2人は(序列が)一番下で“イモをくれる人”でした(苦笑)一番は永瀬さんと吉沢くんで、ベタベタでした。やっぱりわかるんでしょうね、家族で誰が一番かが・・・」と苦笑し、小松も「ちえちゃんには大御所感がありましたね」と同意し、笑いを誘った。
最後に小松は「クスっと笑えたり、行き過ぎた愛が残酷な時もあったり、突き刺さるメッセージ性がある作品だと思います。ぜひ映画館で見届けていただけたら」、「(今の時期は)家族のことを考える時間が多かった」という北村は「ひとつの家族が当たり前の日々を幸せに感じながら生きて、あるきっかけで崩れ、1匹の犬に救われながらまた再生していく物語です。いろんな感情にさせてくれる映画だなと思いますし、優しいだけでなく、とげとげしい思い、憎しみや怒りもひっくるめてこの家族を愛しく思っていただけたらと思います。いま一度、自分の家族を考えさせてくれると思います」と本作をアピールした。
映画『さくら』は2020年11月13日(金)より全国で公開!
監督:矢崎仁司
出演:北村匠海、小松菜奈、吉沢亮、小林由依(欅坂46)、水谷果穂、山谷花純、加藤雅也、趙珉和、寺島しのぶ、永瀬正敏
配給:松竹
© 西加奈子/小学館 ©2020 「さくら」製作委員会