第33回東京国際映画祭「特別招待作品」部門上映作品『おらおらでひとりいぐも』のQ&Aイベントが11月3日(火・祝)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、沖田修一監督、青木崇高、宮藤官九郎が登壇した。

日本公開前の最新作をプレミア上映する、大作や話題作が揃う「特別招待作品」部門。『おらおらでひとりいぐも』は、75歳、桃子さんの、あたらしい“進化”の物語。75歳でひとり暮らしをしている主人公“桃子さん”役には映画『いつか読書する日』以来15年ぶりに映画主演を務める田中裕子。そして桃子さんの「娘の時代」「妻の時代」を蒼井優が二人一役で務める。メガホンをとるのは『南極料理人』『横道世之介』『モリのいる場所』などを手掛け、数々の国内外の映画賞を受賞してきた沖田修一監督。東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎ら豪華俳優陣も集結し、可憐でたくましい桃子さんの日常を描く。「ひとりだけれど、ひとりじゃない。」桃子さんが辿り着いた賑やかな孤独とは―。

大きな拍手に包まれて舞台に呼び込まれた青木は英語通訳の真似を交えつつ「“ロンリネス2”の青木崇高です。本日はどうもありがとうございます。マスクで皆さんの表情を拝見できないんですけど、きっとマスクの下はほっこりとした顔になっているのではないかと確信しております」と笑いを誘い、宮藤も続けて「“ロンリネス3”を演じました、宮藤です。今日はロンリネス1がいないんでね。ロンリネスが足りないんですけど。ありがとうございました」と挨拶をし、会場を沸かせた。

田中裕子との共演について問われた青木は「こういうと語弊があるかもしれないですけど、ロンリネスでしたっけ?1、2、3でふざけたように楽しく現場で。とにかく楽しんでいました。田中さんもどう思われていたか分からないですけど、とにかく本当に監督が作ってくれた世界、空気感が楽しくて遊んでいました」と振り返った。宮藤にも同じ質問が投げかけられると「昔からドラマや映画で観ている女優さんなので、それなりに緊張していたんですけど。現場入るともうセットのところに最初に田中裕子さんが座って、僕らが入る時にはいるので4人組のような気分でしたね」と振り返った。

田中裕子から他の出演者に演技の提案などがあったかというお題に対して、一同がお互いを確認しながら「なかったよね」と頷き、青木は「あ、田中裕子だ!と思っていながらも田中さんコタツとか入っててメザシかじっていたりお茶飲んだりシュウマイ食べていたり…本当にその佇まいが桃子さんなっていたので。自然でした」と語り、田中裕子の大きな存在感を絶賛した。宮藤は「今日、座談会があって、一番田中裕子だと思いました」と話すと、一同納得した様子を見せた。

本作での印象的なエピソードを問われると、青木は「最初、台本を頂いて読んでいてすごく面白いなと思っていたんですけど。その後に衣装合わせがあると聞いて、これどんな衣装着るんだろう?と思って。最初、全身黒タイツなんじゃないかなとか想像していたんですけど。実際行ってみたらバカでかい桃子さんの衣装が用意されていまして。なるほど、こう来るのかと思いましたね」とニヤケ顔を見せ「そしたら宮藤さんも濱田くんも同じ衣装っていう(笑)これはめちゃめちゃ面白かったです」と振り返った。

衣装について監督は「衣装の方とどういうのにしようか、と話しをした時にやっぱりみんなどうするんだ?となって。抽象的なものも案にはあったんですけど。やっぱり妖精みたいなイメージがあったので、みんな同じ桃子さんの衣装を着るのが一番自然なのかな・・・となって。男の人があれを着る面白さも、みんな同じ衣装着る面白さもあるなと思ってかわいいなと」コメントし、会場を笑わせた。

【写真・文/蔭山勝也】

映画『おらおらでひとりいぐも』は2020年11月6日(金)より公開!
監督・脚本:沖田修一
出演:田中裕子、蒼井優、東出昌大/濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎、田畑智子、黒田大輔、山中崇、岡山天音、三浦透子/六角精児、大方斐紗子、鷲尾真知子
配給:アスミック・エース
© 2020 「おらおらでひとりいぐも」製作委員会

第33回東京国際映画祭は2020年10月31日(土)~11月9日(月)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!
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